久しぶりにチェロ初心者?の音を近くで聴いた。みんなある特徴がある。それを改善できれば音そのものが良くなるように思うのだが・・・。まぁ、そういうことが難しいのだろうけど。
それは音が死んでるってこと。昔、カザルスの最初の日本人弟子であった故佐藤良雄先生に数年ぶりにちゃんとレッスンを受けることになり、タルティーニのコンチェルトを習っているとき、カザルスはこう弾いたと言うので何度もやり直されたのは、生き生きと弾けと言うことに尽きる。音に命の躍動感を与えるように、とも言える。
初心者の音のほとんどは、何の意識もなくただぼーっと音を出す。チェロを弾く正しい姿勢とは、音に集中して前に音を出す積極的な姿勢で、それは運動選手の姿勢と言えるだろう。座敷でお茶を点てるのとは違う。まず、そこが抜けている。
ぶっきらぼーにいやいや弾いているようなつまらない音。勿論そういうつもりではないのだろうが、では積極的にどういう音を出そうと思っているのか、と聞かれたら答えはないだろうと言う姿勢に見える。音は鳴っているが、音楽のおの字もない音。楽譜に書いてある音を実音に変換するのではなく、その人が責任を持って音楽を作るのでなければ。これが同じ初心者でも子供の場合は違うから言い訳はできない。(子供は音と共に生きると言うところがある)大人はなんと言うか、半信半疑で弾いている、弾くことに集中するより余分な考え、邪念が働いていると言う感じ。脳細胞の無駄な働き、というか(^^;;
多分技術的には、弓を速く動かしたりゆっくり動かしたりする練習、で、音量を変えずアクセントを付けずでもしっかりしたよい音で。ゆっくりした長い音の中にも速く動かしている時の躍動感を感じて。
偉そうにと思われるかもしれないけど、つまらない音を出していないかいつもチェックすることが必要。テクニックだけではないのかも。それは中級になっても、変わらないものがある。もっと上手になってもやっぱり音への姿勢は聴いていたら分かるものがある。
あるバイオリンの先生のレッスンでの最大の注意点は、音楽をすることを楽しまないと怒られるとか。楽器を弾くことが楽しくて仕方ない、音楽できることが楽しいと言うことがすべての基本。
なんかこういうとき、じぶんの事を言われてるような気がして、言わずにはいられなくなるんですが(^^;)
まず楽譜の指示する音を出すことに精一杯、っていうところがあるんですよ。読譜に自信がない。どんなハーモニーになるか先が読めない。
でも音が合えばだんだん自信も出るし、楽しくなってくる。そこをちょっと待って、それでも変わらなければ、厳しく言って頂いたほうがいいと思うんですけど。
あと、大人の初心者は「照れ」というのもあるかも。
投稿情報: yoshi | 2008-09-13 13:13
yoshiさん
あ、あ〜〜 やっぱり誤解を招きやすいですね、こういうの。別に厳しく言ってる訳じゃないんですが(^^;; それとこういう風に書く時は自分のことを反省してる意味もあるんです。
初級者でなく中級でももっと上手でもありうることなんです。
もっともっと音を聴かなくては、と言うことですね。
追加:「もっとよい音で」と言う意識で練習曲をやることにつきますね。最初からよい音はしないのは当たり前ですが、私が感じるのは、もっと音を聴いてもっと追求する意識を持たないと、と言うことです。練習の過程で昔やった簡単な曲に戻って音を追求すると効果的だと思います。一応弾けるようになったらそのままにしないで、「もっと立派な音で」弾けるようにと練習を反復するってことですね。自分の進歩も確認できますし、登山で登ってきた道を振り返るような感動がありますよ。そして何が大事かってことも実感できると思います。
投稿情報: goshu | 2008-09-13 17:48
goshuさんはじめまして
最近楽しく拝見させていただいております。私はチェロ初級者というよりまだ初心者です。合奏はまだやったことはありませんが面白く読ませていただきました。(^^;
投稿情報: たこやきおやじ | 2008-09-14 12:18
初心者だと、いい音というのがどういうのか、
どうやって出すのかわからないのではないでしょうか。
正しいメロディーを弾くので精一杯なところもあるし(苦笑)。
私もここ1〜2年、「何となく弾かない!」「すべての音には言いたいことがある」「すべての音を意識して!」などと口を酸っぱくしてしごかれました。
最初はどういうことかわかりませんでしたが、いまはだいぶわかるようになってきました。
理想の音にはまだまだほど遠いのだけど〜(苦笑)。
投稿情報: | 2008-09-14 12:25
あ、↑のコメント、名前書かないで送信してしまいました。ごめんなさい。
投稿情報: まかべ | 2008-09-14 12:25
>初心者だと、いい音というのがどういうのか、どうやって出すのかわからないのではないでしょうか。
あ、そうかも・・
よい音とは・・カザルスの言葉を借りれば、開放弦の音です。この音をよく聴く事ですね。私も先生から、指を押さえなければ良い音程、よい音ですね。どうしてかな・・と言われます(^^;;
「演奏はその人そのものである」とはトルトゥリエの言葉ですが、音の姿はその人の姿ですね。だから恥ずかしい音は出せない。
ところで、初心者、初級者、中級者って言う言い方も変ですね。白鳥弾いた人はもう中級入り口ですかね。
私は、口は中級ですが、意識と実力は初級のへたっぴ。2年前からウエルナーの1巻、ドッツァウアーと進んできました。私がへたっぴだと思うのは子供の演奏を聞いてそう思わざるを得ないのです。同病相哀れみ叱咤激励せざるを得ない心境です。
投稿情報: goshu | 2008-09-14 14:12