チェリストは心が広い

今日は，恒例の（高齢の）弦楽奏者が朝から集まってのお楽しみ会。丸一日、弦楽四重奏や弦楽合奏曲などを楽しみます。お茶しながらの話題。あるアマチュアのお楽しみ会で、ピアノの上手な人がいて演奏を褒めたら本職ではないと言う。

フルートが専門らしく、では吹いたら？と誘ったら、｢私はフルートはアマチュアの方とはご一緒できない」と言われたとか。プロのプライドというか、それはバイオリンでも同じで･･・と。でも、チェロでそんなこと言う人はいない、ヨーヨーマでも誰でもプロアマ関係なく一緒に音楽を楽しもうという気持ちが強い，と話すと、びっくりしたようにそんな事は他の楽器ではあり得ないという話になりました。プロの方に対して 敬意は必要だけど、楽器を弾くときはあらゆる障害（国も宗教も言葉も年齢も職業も様々な差別も）を乗り越えて共通の音楽を愉しもうと言うことになるのがチェロ弾き。一緒に愉しむだけでなく，世界中のチェリストがもっと上手になる方法などについて国や流派を超えて教え合うという風になっているからとても上手な若者が次々と育っている，と、いつか堤剛さんが語っていました
　そういえば、ピアニストも他の楽器でも「アマチュアの方」と言う言い方をなさる事が多い。私は違うと言うわけだ。チェロ弾きで（事実としての話ではなくプライドの関わるような）そんな言い方をする人には会ったことがない。長いこと私はチェロとか音楽はそういうものだという意識があるから、逆の立場のある意味普通の音楽家には失礼なことを言ったりしてきたのではないかと逆に心配である(^^;)）
　世界中の誇り高いオーケストラのメンバーでもチェリストはみんな仲が良いらしい。だから、チェロアンサンブルもなり立つし1000人のチェロアンサンブルというのも現実的には難しいものの具体性を持っている。どうしてそうなるのだろうか。カザルスが｢謙譲のレッスン」をしたのも有名だが，それがチェロ弾きの伝統なのか。そういうことも含めてチェロを弾いていることは喜びである。だから、1人でこつこつ練習するのも良いけれど，心を広げてアンサンブルに気楽に加わってみるのがお勧め。失敗を恐れることはありません。チェロがどんなにすてきな楽器かよく分かっていて、難しいけどもっと上手になりたいという気持ちはみんなが共通に持っている。世界中のチェロ弾きがみんなそう思っていて暖かく助け合う　It's a wonderful cello world!

Comments

[投稿情報: チェロ右衛門]

こんばんは
私の周りのプロはそうではなさそうです。
私みたいにどうしようもない者をも飲み込んでくれます。嬉しい限り。発表会で演奏してくださるピアニストは超プロですが、和気藹々＆厳しい。私も伴奏という言葉を使いません。二重奏なのですから。まあいろんな言い分はあると思いますけど。
良い話、ありがとうございます。

[投稿情報: yoshi]

プロのチェロ弾きの心の広さというか、垣根の低さはここ数年で知って驚くことがよくありました。一緒に演奏してくれる、サインをもらいにいっても仲間のように打ち解けてくれる…いいんだろうか？と思うことも多々ありました。
そういうところはチェロの良き伝統でもあるわけですね。

[投稿情報: goshu]

チェロ右衛門さん、yoshiさん　こんにちは
　ともかく大人になって楽器を始めた人の中ではチェロをやった人が正解ですね(^_^)色んな意味で。

[投稿情報: HN師匠]

アマチュアのヴィオリストです。
家内がチェロ弾き（アマチュア）で、チェロアンサンブル等、私も大好きです。

以前、某.プロCb奏者とふれあう機会があり、「お時間のあるときに室内楽で遊びましょう」という話になったんです。
そうしたら、それを知ったアマチュア奏者（Va）から「君はなんて大それた事を！」と叱られました。

私はかなり驚かされました。

別にいっしょに演奏会に出せと言ってるわけでなし、プライベートな楽しみにお誘いしただけで、ご本人は気にされてなかったようなんですけどね。

私の周りのVc・Cbのプロ奏者は、アマチュアとの関わりも楽しんでいらっしゃいますけどね。

[投稿情報: goshu]

HN師匠さん　こんにちは
　どうやら低音楽器系は似たようなメンタリティなんでしょうか。管楽器ではファゴットは性格良い？

[投稿情報: まかべ]

うちの門下生のSさんという方がご自宅で先生のミニコンサートをしよう・・・と考えていらして、先生に声をかけたら快く快諾してくれたそうです。ただし、自分一人で演奏会のように弾くのではなく、Sさんや私も弾くのなら、というのが条件だったとか。
ちなみにご主人はファゴット奏者です♪