昨夜土曜日の夜たまたまNHKBSで坂本教授の音楽番組を途中から見ました。
若い音楽を学ぶ生徒を相手に坂本龍一が演奏を交えてレクチャーします。生徒はクラシックに限らずエレキギター、サンシン、ピアノ、フルート、ヴァイオリンなど色々。
バッハのG線上のアリアを使って通奏低音についての説明をしてたみたい。通奏低音に乗って即興演奏を生徒がしたりしてました。
で、最後に、坂本教授のピアノ、藤原真理さんのチェロで、マタイの受難曲からアリア「憐れみたまえ我が神」が演奏されました。藤原真理さんのチェロはいたずらにビブラートをかけない、この曲の精神性を壊さない美しすぎない演奏?をしていて好感が持てました。
この曲は私が最も好きなバッハ(というかバッハの神髄)。演奏は残念ながら途中で消えてしまいましたが。通奏低音はチェロのパートで、昔これをオケで演奏したとき、練習で何度弾いても感動を禁じ得なかったものです。何故これが、バッハ、通奏低音のテーマの最後に来たのか・・この曲がバッハの音楽全体の通奏低音、バッハ音楽の白眉であるという暗喩でしょうか。
この曲は私が最も好きなバッハ(というかバッハの神髄)。演奏は残念ながら途中で消えてしまいましたが。通奏低音はチェロのパートで、昔これをオケで演奏したとき、練習で何度弾いても感動を禁じ得なかったものです。何故これが、バッハ、通奏低音のテーマの最後に来たのか・・この曲がバッハの音楽全体の通奏低音、バッハ音楽の白眉であるという暗喩でしょうか。
ご存じの通り、この曲は、ペテロが、イエスが捕らえられている家のそばでうろうろしているのを見とがめられ、3度イエスを「知らない」と言いその直後に鶏が啼く。お前は夜明け前に私を3度否定するだろうと言うイエスの言葉通り、保身のために自分があっさりとイエスを裏切ったことを知って激しく泣く。そして歌われるアリアです。深い悲しみとそれに寄りそって癒やすかのように奏でられる美しいバイオリンのオブリガート・・
この曲のチェロパート(通奏低音)に関心のある方?は、こちらで音楽とスコアの両方が分かります。
緩やかなシチリアーノのリズムはこうした主題の時にバッハが好んで使ったもので、名曲が沢山。例えば、バイオリンソナタ第4番のシチリアーノはこのアリアに似た雰囲気で特に感動的。大好きなヘンリク・シェリングのバイオリン演奏のが見つからなかったので、グールド&メニューイン版で。↓
同じようなテーマは何度も編成を変えて作曲されていますが、ハープシコード協奏曲ホ長調のシシリアーノ(BWV1053)もよく似ています。他にも色々あって、単に「バッハのシシリアーノ」というとフルートやピアノで良く弾かれる有名なものがありますね。正確には「フルートソナタ変ホ長調 BWV1031 Sicilliano」ケンプがピアノソロに編曲したものもあります。私が最初に聞いたのはケンプのLPレコードでした。続いてSP復刻版のディヌ・リパッティのピアノ(この演奏が感動的)。YouTubeにはよい演奏が見つからなかったので特にリンクしません。
見逃してしまったのですが、こんなおいしいのをやっていたんですね。
今日BSで再放送らしいのでがっちり録画します。
投稿情報: たこすけ | 2010-04-20 09:44
さっき偶然に再放送を見ました!
この日記を読んでたので、坂本龍一さんがテレビに映ったとたん
「あ、あの日記の番組だ!」と気づく事ができました。
ありがとうございます!
藤原さんの演奏、素敵でしたねぇ~
最後まで聴きたかった!
久々に心奪われる演奏を聴くことができました。
投稿情報: miho | 2010-04-20 17:35
mihoさん
元はアルトの曲なので、チェロで弾いても良いですよね。通奏低音のチェロは単純に上がり下がりするだけですけど、弾いていてとっても良いんです。こういうのってチェロ弾きしかわかんないかな・・バイオリン弾きだったらつまらなく感じるかも・・
たこすけさん
多重録音に挑戦しますか?オブリガートは聴くのと弾くのではだいぶ違って難しいようですよ。
投稿情報: goshu | 2010-04-20 17:45