病院でちょっと演奏するだけなのだが、色々とどんな曲を演奏したら良いのか考えている。と言うか、何をするのか、と考える。
還暦を過ぎる頃から、両親も、昔お世話になった先生、親戚など次々とこの世を去って行く。淋しい限りだ。社会的に大きな業績を上げた人も、何もそんなことはなかったように見える人もいるだろう。そういうことが大きな事とも思えない。余命数ヶ月と宣告されたり、明日死ぬと分かったら、いったいどうするだろうか。慌てて、世界一周旅行に出かけるとか、美味しいものを食べ歩くとか・・そういう方向もあるだろうし、だけど、いまさら、である。今になって慌てても遅すぎる。
自分の欲望を満たすために色々な事を考えたり悩んだり時間を費やすというより、世界から祝福を受けて生活する方が良いとも言える。そういう風にマジックのように世界を変える方法・・それがスマイル、微笑みと訳すべきだろうか。
十字架にかけられた苦しそうな顔のキリストではなく、神秘の微笑みをたたえるお釈迦様のように、柔和に世界を見る事ができたら、それまで見えなかったものが見え、味わえなかったものが味わえるのではないだろうか。私の気に入っている小林秀雄の言葉がある。「毎日何を考えるかではなく、どういう心情でいるかが大切だ」
私が頭の中で、何かを分析したり統合したりしても何も増えもしないし減りもしない。けれど心持ち1つで、世界から与えられるものがある。心穏やかにしなければ見えない真実というものがある、心根一つで与えられる豊かさがある。そして、その豊かさに満たされれば、その分だけ私も世界を豊かにしているはずだ。それが日常生活というものだろう。
チャップリンの「モダンタイムス」の素晴らしいエンディングに重なる「スマイル」という曲を聞きながら、そんなことが思い浮かぶ。
いかん・・・涙が・・・(^_^;)
欲が強い人間にとっては上のような境地にはまだまだ手が届きません・・・。
しかしいい曲です。
投稿情報: たこすけ | 2011-10-24 10:02
うーん、スマイル、聞いてみよ。
Oh,That's Celloの楽譜のどこかにあるでしょうね。
モダンタイムスも観てみます。
「ライムライト」は観て泣いちゃいました。
チャップリンってね。左利きのチェリストでしたよね。
チェロも改造していたみたい。
彼自身による演奏ってないですかねえ。
ライムライトでは確かヴァイオリンを演奏していたような。
投稿情報: えにお | 2011-10-28 04:20
この曲のチェロ楽譜は、ヤマハミュージック社から「チェロ・レパートリー ポピュラー&クラシック名曲集」(カラオケCD付き 3150円)というタイトルで出ています。また、チャップリン自身の演奏はありませんが、チャップリンの作曲によるチェロ楽譜は、彼自身によって出ています。1冊に3曲くらいなのに高い。また、チャップリンの曲だけを集めたチェロのCDアルバム「Oh!That Cello Music By Charlie Chaplin」もありますよ。
http://www.amazon.co.jp/Oh-That-Cello-Charlie-Chaplin/dp/B0000069T4
彼の映画音楽のオリジナルバージョンはチェロとピアノによって書かれています。なんてったて、映画をやる前はチェリストになりたくて1日4,5時間練習をしていたらしいですから、半端じゃないですね。
投稿情報: goshu | 2011-10-28 07:20