まだ、新しい楽器に充分なれているとは言えないので、思った通りの音が出たり出なかったりしている。先日、誰のチェロの音が好きかと聞かれ「フルニエ!」と即答した(^_^) 生まれて初めて買ったレコードが、フルニエの小品集だったと思う。
ドイツグラモフォンからでていた「珠玉のチェロ小品集」(ピアノ伴奏:クラウソン)というタイトルだったと思う。その全ては、CD化されているのが嬉しい。これは今年5月に再版されるらしい。フランクールのチェロソナタに始まり、パガニーニのモーゼ幻想曲で終わる1枚だ。このレコードは何度も何度も聞いたもの。曲も勿論名曲ばかりだが、何よりその音色、その演奏スタイルが魅力的。どんなものかは私がくどくど説明しなくても聴けば分かる。
ちょっと聞いてみたい人は、オーケストラ伴奏で演奏したものがあり、それは試聴できるのでどうぞ。
今は昔のチェリストになってしまったと思いますが、ロストロさんも生前嘆いていたけど、本当に個性のある演奏家がいなくなってしまった。その音色にその人の生き方も思想も表れているようなチェリスト。
私もかれこれ30数年以上前に高校1年で初めて購入したレコード(当時お小遣いで買うには相当勇気が必要でした)がこのフルニエ珠玉の小品でした。
その当時、耳新しいフランクルールのソナタに心をときめかせた年代で、その時の感激がトラウマ?となっていて今でも代表的な愛聴盤の一つです。まさか当時は自分が将来この曲を弾くようになるとは思ってもおらず、(取りあえず全楽章弾くまでに至りましたが)、あらためてフランクールのソナタ特にフルニエと同じ1楽章と2楽章(アダージョとアレグロ)の気品の高さを共有出来る方がいらっしゃることに感慨を深めた次第です。そしてこのフルニエの小品集こそ、古今東西のアマチュアチェリストに広く聴いてほしい演奏だと感じております。チェロの小品集で、ここまで精神性の高さを体現している演奏家はいないのではないか?、と感じる程ハイドンのソナタ、ウェバーの曲は真摯に傾聴に値する演奏であると感じます。
投稿情報: makoton | 2012-02-27 23:22
makotonさん こんにちは
いやぁ、同好の士がいて嬉しいです。チカゴロの人はフルニエなんて聴いたことない人が多いでしょう。フランクールのソナタは、アルバムの最初にある事もあって、こんな風にチェロが弾けたらいいなとずっと思っていました。昨年何とか弾けるようになりましたが、勿論遠く及びません。ノーブルな音とスタイル、正にチェロは孤独な騎士のよう。感傷に溺れず、過度な情念だのましてやフェロモンなんか醸し出さない、凛とした佇まいを崩さず、大げさな身振りや人を驚かす技術をひけらかすこともなく、ただ、自分の言いたいことを静かに率直に語るような演奏。こんなチェリストは2度と出ないでしょう。
投稿情報: goshu | 2012-02-28 10:01
以前にもコメントしたかもしれませんが,このレコードは私も持っています。楽器のせいか弾き方かわかりませんが,音色が他のチェリストと全然違うんですね。
もう何十年も聴いていませんが,CD再発されるならまた買いたいです。
フランクールのソナタはこのレコードの演奏しか知りませんが素晴らしいです。楽譜は持っていていつか弾きたいと思っていますが,難しいです。
投稿情報: ダンベルドア | 2012-03-01 18:02
ダンベルドアさん こんにちは
そうですよね、あの音色・・楽器のせいかと思って今回フレンチチェロを購入したわけで・・(^^;)・・でも楽器だけじゃないですね、やっぱり。音色はその人が望む音、長い間探し求め、狙い澄まして作るものですね。
投稿情報: goshu | 2012-03-02 07:03