元はバイオリン用のものだが、それをフィヤールがチェロ用に直したもの。 1頁に3曲ほどで、1つ1つは短くてそれほど難しい事はないけど、難しさが違うということだろう。しかし、練習曲はこんな風に短いのが良いな。囲碁とか将棋とかで、手筋100選とか、詰め将棋ドリル、みたいのがあるけど、暇なときにちょこちょこっと考える事ができて、効率的。こういうのを沢山やると力が付く。
ショパンの練習曲と同じで、練習曲とは名ばかりで曲になってる自称練習曲は、良いものかも知れないけど効率が悪い。まぁ、サッカーの試合時間が90分になっているように、練習曲も、長いから疲労も溜まり、筋力も必要になるという意味の練習もあるのだろうけど。
弾けないとか、弾きにくいとか、そういう場合、かなりの確率で実はボーイングが問題な事が多い。先日もオケの練習で、ベートーベンの8番の第3楽章のトリオ、チェロが延々と三連符の階段を行ったり来たりするところがあるけど、これ自体はゆっくり弾けば何も問題はないけど、譜面通りに小さな音で延々と弾くと不安定になったりする。そこで、ボーイングを4拍目の裏はアップボーに統一することにした。なれればワンパターンなので、演奏は安定してくる。
この他、左指は使わずボーイングだけさらったら良い場合は沢山ある。1つ1つは何も難しい事はないけど、身についていないことはさらっと体が動かない。できるできないではなく、サラッとできる事が大事。もたもたせずサラッとできるようにするには、基本的なドリルを沢山やることだと思う。
こういう簡単な譜面だと、さっと弾いてできたできたとやったつもり、それで良ければ、ドッツァウアーなんかもあっという間に終わってしまう。問題は、本当に良い音で弾けているかと言うこと。雑音のない充実した太い音が出ているか、ちゃんとスタッカートになっているか、音程は正しいか、・・とか・・・いい加減にエチュードやるのは意味がない。練習は早く終わることに意味があるのではなく、やることに意味があるのだから、当たり前だけどしばしば忘れる。
40ものエチュード、それだけパターンがあるのだろう(これはボーイングの為のエチュードではないようだけど、これを使ってボーイングの練習をするということ。良くやるように言われるのは最初の4つくらい、だから、それだけでも通常は良いかも知れない)、囲碁で言えば、40の手筋。しかし、たった40しかないのか、とも言える。これくらいやらなくてどうする、である。これをきちんと身につければ怖いものなし・・?・・がんばるぞ。
実は、op2の方を買ってしまって、
こっちはシンプルな練習曲に
気が遠くなる程のボウイングパターンがあって、
挫折しました。
op3の楽譜は、国内の楽譜屋さんで見つけることが出来ないでいます。
投稿情報: えにお | 2012-02-04 06:35
OP2はBowing Technicというタイトルのですね。・・えっと、楽譜はとりあえずIMSLPでも入手出来ますよ。チェロ用にアレンジされたものもちゃんとあります。OP3は
http://imslp.info/files/imglnks/usimg/f/fc/IMSLP64744-PMLP131898-40_Variations__Op.3.PDF
投稿情報: goshu | 2012-02-04 06:54
練習の要領;;変奏曲の第1番。手首をぶらぶらさせないで、指だけで素早く弓を大きく動かすようにすること。音は大きくしっかりはっきり出すこと。機敏な動きが要求されます。アップの時は、弓を放り投げるかのような気持ちで小指から弓を押し出す。そして素早く(強いバネで戻るように)元の位置に戻す。なれるまで時間がかかります。筋力がないから疲れるし。
こうしたトレーニングで指が柔らかく機敏に動くようにすることが眼目です。素早い弓の返しが出来るようになれば、速く弾くだけでなく、切れ目のない弓のターンも可能になる(らしい)プロのような粘りのある深みのある歌い回しを目指しましょう。弓の返しは取っても難しいけれど、大事なのは、「何もしない、速度も変えない」(そのためには指が肘の動きに順応して柔らかく動くことが大事だと思う)
そうそう、YouTubeにアンドレ・ナヴァラのボーイングのレッスンがあり、これだけやれば良いからと何度も何度も示しているのは、(手首ではなく)まさにこの指を柔軟に動かして弓の返しを行う練習です。
http://www.youtube.com/watch?v=OiNhZrMhD6I&feature=related
投稿情報: goshu | 2012-02-04 07:01