昔チェロを始めてすぐの頃に買ったIMC版のアルペジオーネの楽譜が見つからない。仕方ないので、ネットでダウンロードしたら、ブライトコップ版だった。そもそもこのアルペジオーネという楽器(再生した人がいる)は、チェロとギターのあいのこでチェロの形をして指板にはフレットがあり弓で弾くという、ビオラダガンバに似た楽器で、チェロとは音域が一回りから二回り違う。
だから、チェロで弾く場合は編曲することになる。私が最初に買ったこの曲のレコードは、シュタルケルが来日したとき録音したもの。美しい音色の素晴らしい録音で、ゆっくりしたテンポ、端正で、決してロマンチックに走らない、低音の響きの美しいチェロらしいものだった。それまで「コダーイのシュタルケル」しか知らなかったので意外でもあった。それから、だいぶして他のチェリストの演奏を聴いたりすると、みんな、多分原曲に忠実にハイポジションで難しそうに弾くのだが、音が高すぎてピンと来なかった。それは、フランクのバイオリンソナタをチェロで聞いた後、バイオリンで聞くと、騒々しくヒステリックに聞こえるのと同じ感覚。最初の印象というのは大きくて、いまだにアルペジオーネはシュタルケル。
大体、アルペジオーネという楽器でこの曲を弾けば、かなり簡単な曲だろうと思う。当時発明されたばかりのこの楽器のためにシューベルトがすぐに作曲したのがこの曲。きっと流行り物が好きなアマチュアのために家庭で楽しめるように作ったのだろう。とはいえ、この頃シューベルトは病気で神経を冒されていたからか、暗い部分があって、この曲に深みを与えている。
このブライトコップ版は、高い音はオクターブ低く書き直してあるので、比較的弾きやすいし聞きやすい。それほどでない楽器でも良い音がする(^_^) 私のようなへたっぴの腕で安物の楽器でこの曲をオリジナルで無理に弾くと、はっきり言ってうるさいだけ、のように思える。
というわけで、とりあえずはこの版で練習して、弾けるようになったら、オリジナルに近い音域のものにも挑戦してみようかと思う。 なんと言ってもシューベルトは歌曲の王だ。あの素晴らしい歌曲を歌うように弾いてみたい。
そもそも新しいフレンチチェロで歌うように弾いてみたいと思ってこの曲を選んだのだから。
あの曲のはじめの方の悩ましげに美しい旋律、
歌詞をつけたらどんな歌詞が合いますかね。
恋人に捨てられた恨み、それともはかないあこがれ、
破れた夢、あきらめきれない、切なさ、未練、
二楽章はあきらめ、
三楽章は?
投稿情報: えにお | 2012-03-03 17:24
えにおさん こんにちは
えにおさんはロマンチストですね。(^_^) すぐに物語を作っちゃう人いますけど、私は、演奏するときそういう妄想は抱きませんね(^_^)
投稿情報: goshu | 2012-03-04 16:35