この所我が家のホールで練習する事が多くなった。他の場所で弾く気がしなくなってくる(^^;) このホールの音になれてホールの音を上手く利用できるようになっているから、省エネで練習できる。けれど、ピアノでも何でもいえるけど、大概の人は、「押さえつける」「たたきつける」様な弾き方をしていることが多い。
実際の自分の音をよく聴くこと。それは意外とできていないことなのではないかと思う。誰かがビブラートの上達の為には、自分の音をよく聴くことが大事だと書いていた。手の運動ばかりに気を取られて、よく聴いてみると言うことが疎かになっているかも知れない。そういう訓練が出来ていないことは、こういうホールで弾いてみると分かる。このホールが出来てすぐに喜び勇んでチェロを弾いたときの衝撃、それはこんなもの作って失敗したと言うことだった(^^;) なぜなら音が良く聞こえないからだ。数時間で慣れたが、こんなに響くところで一人で弾いたことはないから、間接音が多くて普段の響きとは異なるので、当然そういう音が鳴るものと思っていてそれが聞こえてこないと、聞こえないと感じるのだ。音は物理的に聞こえてはいるが響きを聴いていない。だから、アマチュアの大概の人は、ホールで音出しすると、響きすぎで聴き取れないと言う。世界各地100ヶ所以上のホールで演奏したり録音してきたプロ演奏家や録音のプロにそう話すと、「それは耳が悪い」と一笑。お世辞もあるかもしれないが、このホールは素晴らしいと言う。私が感想を求めたからでなく自発的にそう言ってくださるのは信憑性が高い(^_^) 一応それを信じて、このホールでどの様に良い響きを作れるか練習したい。
初めて利用する人の為に、コツを伝授。押さえつけて弾かない事。最初の発音を明瞭に、後は力を抜いて響きをよく聴いてコントロールすること。弓や楽器の性能、ホールの音響が音を作るので、その邪魔を人がしないことを心がけると言う雰囲気(^_^) 私がどうするではなく楽器が気持ちよく響いてホールと調和することだけを心がける。
その音の響きや性格、雰囲気、これをお互いに聴き合うことが出来ればアンサンブルはもっと楽しくなるだろう。上手になったら出来るのではなく、いつもそういうことに集中してよく聴く訓練をしなければ、そういう能力は作られないのではないかと思う。上手と言われる(手の運動能力のある)人でアンサンブルを作れない人は(人柄もあるし)沢山いる。いつもは、楽譜に書かれた音符にこだわりそれを音に変換して、それを合わせたらどうなるかみたいなアンサンブル(それはコンピューターでも出来る)をしているが、本当は、そんな目の前の音の集まりではなく、その空間に水彩絵の具が広がるように音の響きを聴き合うのだ。・・と言っても実際にそんな演奏が出来た事は数少ない・・自分が出来なくてもそういうアンサンブル体験をさせてもらえることはある 相手が心優しいプロの場合だ(^_^) そういう機会を得ると、もっと内容のある音を出したい、もっと上手になりたいと本当に思う。音は言葉だ、意味の分からない言葉をぶつぶつ言っても何も通じない、訳の分からないことをがなり立て大騒ぎすると、迫力がある、凄い等と感心している爬虫類?みたいな人達もいるから世の中は分からないけど、言葉にはニュアンスがあり、魂に響く意味や感触がある。そういう音を作らないと・・
幼児が言葉を覚えて成長する過程を考えると、・・初心者というのは、3歳以下。初級者というのは幼稚園から小学校低学年。中学生になれば一応大人の仲間入りと言うことで、中級。もう喋ることだけは一人前で、一応の礼儀作法も出来る。外に出してもそれなりに出来る。後は、内容だけ。高校生以上が上級者。意味は勿論ニュアンスも香りもある音が出せる。
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