久しぶりに、昔の曲を弾いてみて、昔練習したときより上手になってるかなと思ったのは、第1に曲らしく弾けてるってこと。30年以上前、一生懸命練習してた時は、指に力が入っていて、ボーイングだって、ボーイングがどうってもんじゃなくてひたすらこすっていたと思う。音程をとるのだって必死だし・・
サンマルティーニのソナタなんか、イタリアバロックらしく、明るく軽やかに、それらしく弾けるようになった(気がする)ので、そもそも曲を弾くときの心構えが、初めて取り組んでいたときの頃とは、(今は練習してないのに)全然違う。レッスンの前でやらなきゃってこともないわけだし、気楽なものだ。良いとこだけ楽しんで、それらしく弾けば良いくらいの感じ、これが良い。
バッハでも同じ、どう弾こうと勝手だ、レッスン受けるわけじゃないし、人に聴かせるわけでもないし、というわけで、決して崩すわけではないが、勝手にこんな感じで、と自分勝手に曲の持っている雰囲気を自分なりにそれらしく弾いてみようと気楽に弾くと、正しい演奏かどうかは別として、ただ練習曲みたいに弾くのとは違って、音自体も良くなる(気がする)。
この、それらしくが、実は間違っていると言うこともあり得る、というかきっと間違っている、と思うけれど、(どんな名曲も練習曲のように弾く人たちがいるが)無機質な演奏よりはずっとましだろうし、勉強しておかしなところは直せば良いのだから、ともかく、曲らしく弾くのは上達への道を歩んでいるのだと思う。さらに進んで、ブラームスはブラームスらしく、フォーレもベートーベンもそれらしく、弾こうと意識していないと何をやっているのか分からない、本当にそれらしい演奏ができるようになるかどうかはともかく、意識しないことはできないから。
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