長いことチェロを弾いていないが、このところ少し体調も良くなってきた(低空飛行)ので、試しに、ちょっと弾いてみた。とはいえ、過去調子に乗って30分ほど弾いたらその後2,3日痛くなって失敗しているので、今日は、チェロの姿勢としては悪い模範のような、腰を緊張させないように背もたれにもたれかかってテレビでも見ているかのような姿勢で弾いてみた。
弾いてみたのは、バッハ1番のアルマンド、何故かこの曲は好きだ。エンドピンを少し伸ばして指も弦に触る程度で軽く弾いてみる。・・と、何とか弾ける。これだと車いすに座っても弾けるかも・・と思った。
そういえば、だいぶ前、N響の前首席チェリスト徳永さんが死の直前、ホスピスで行った最後のコンサート、車いすに座ってチェロを弾いていたのを思い出した。私も大好きな、メンデルスゾーンのピアノトリオの第2楽章、そして鳥の歌、だった。あのときは大変な苦労をしてチェロを弾いたことだろうが、末期がんで苦しい体調でも弾いたのだから、普通の人がただ車いすで弾くだけなら、弾けるかもしれない。なんだか希望が持てる。
近年、ボランティア音楽活動で、ホスピスや老人施設でコンサートをすることがある。いつかやってみたいのは、演奏をするだけでなく、初めての人にチェロを持たせて、開放弦だけで良いから、少し手伝って楽器を弾いてもらって合奏できないかというもの。楽器は、聴くより弾いた方がずっと愉しいし、特にチェロは、体に響きが伝わって、簡単な音だけでも相当な感動があるのではないかと思っているから。車いすでもチェロが弾ける、というのは、一歩前進(^_^) 若くても歳をとっても、人間にとって必要なのは、希望だし、未知のものへ開かれる発見、明るい陽の光の中を歩く喜びは、いつだって大切なものだと思う。
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