ペグの調整が終わって楽器が戻ってきた。ペグはこの楽器を入手してから40年近く、1度も調整したことがない。時間の経過と共に、ペグとペグの穴は次第に楕円形になり、楕円と楕円のすりあわせだから、突然がくがくっと緩んだりする、良いところでぴたりと止まってくれない・・などの現象が起きる。そこで、穴をいったん埋め、再度穴開けをし、ペグも少し細くして、簡単に止まるように、微調整がしやすいように、曰く「ぬるっと回ってぴたりと止まる」状態にしてもらった。
穴あけのついでに、ニスも塗ってもらった。他の部分もネックのはげているところもニスがきれいに塗られ、部分的には新品同様。ついでに、色合わせしたニスもタッチペイント用に小さな瓶に分けてもらった。これで小傷くらいは自分で塗装できる。
ペグが自由に動かないために、ペグは弦を張るとき以外は回さないで、アジャスターで調弦すると言う人も結構いるようだが、私はペグ派。なんと言ってもそろそろと音が合っていき完全5度の合う瞬間を聞くのは快感。耳の訓練にもなるはず。ペグがぴたりと調整されていれば、乾燥時期などで、ペグががたがたと緩み駒が倒れ魂柱が倒れる事故なども少しは防げるのではないだろうか。
このペグも、フェルナンブコ材のものがあるらしく、高価だが音は良いらしい。
ともかく、これで、この楽器の調整はすべて完了。と思ったら、魂柱の位置を少しきつめにしているので夏になったら、もう1回調整した方が良い、と言われた。楽器は生き物で、これでもうおしまい、何もしなくて良いと言う状態にはならないらしい。
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