昨日はオケの練習で、指揮者が急用で来れなくなったため,急遽準団員で元某N響コントラバス奏者のT先生が指導した。普段の練習でも時々奏法について注意してくださるが、今回は音色の特訓?
練習しているのは、アイネクライネの第1楽章と運命第1楽章。アイネクライネの最初の音が、硬い、ぎっと押さえつけない・・
1)弦楽器は打楽器ではない
弦に弓をぶつけるような弾き方ではなく、横に弾いて弦をふるわせる。楽器を良く響かせるように弾く事。
2)すべては円運動
上からどんと落として弾くのではなく、弓は肩から円運動をしてその接点で弦に触れる
3)肩から指まですべて本来優秀なショックアブソーバーがついている。だから、ぎっと固めないで開放してやれば自然にアブソーバーが効いて柔らかい音が出るはず。ぎっと硬く弓を固めているとそばでは大きな音がしているようだが遠くには届かない。柔らかく開放的な音は心地よく遠くまで届く。
これが問題。これは意識してやっているうちは駄目、テクニックというのは無意識で出来るように練習しないと実用上使えない。そのために、毎日、一日三回10分でもよいから、テレビ見ながらでも良いから、菜箸のような木の棒を使って、普通の弓の持ち方をして上下に尺取り虫のように移動する、これを繰り返す。これで柔軟性と筋トレをする。(私の経験ではこういうことは2週間で効果が表れ始める)
脱力の大切さはしつこいほど言われていると思うけど、意識するだけでなく、そうできるようにする練習法も大切。
この後、耳栓をし、目隠しをして演奏する練習をした、聴いていた管楽器奏者達に言わせると、音がよくなったと言うことだ。どうなっているのか分からないが、ちょっとしたことで音がは変わるのは事実だろう。それがある瞬間だけでなく常にそうであるようにするには、日頃の効果的な練習が必要。ある基礎練習を積み重ねることで「いつの間にか」「自然に」「無意識で」良い音が出るようになる。・・う〜ん、スピードラーニングみたいだ・・
そのほかにも様々な注意が・・
4)正しいチューニングは良い音の基本。
5)フォルテとピアノと楽譜に書いてあるように(作曲家がこう弾いてくれと言っているとおり演奏する)弾くには、客観的物理的に明らかに差があるように弾き方を変えること。何となく、気持ちとかでなく、弓をどう使うのか、弦のどこを弾くのか・・
6)運命の練習法、2分音符と八分音符が混ざっているが、2譜音符だけ全員で弾く、次に八分音符だけ弾く、それから、楽譜通りに弾く。2つのメロディが混ざっていることを実感する。そして1人で演奏しているかのようにつながって聞こえるように。
7)モーツァルトはテンポを保つことが大事。
(そうそう、多くのアマチュア演奏は、これが駄目。勝手に遅くなったりリ曲の途中で決まった場所でリタルダンドしたりすることが多い。指揮者も指摘しないことが多く、私はおもしろくない(^_^)・・といっても先日別の弦楽オケでアイネクライネの4楽章の最後チェロが走っていた(^^;) まずい
それにしても アイネクライネは演奏機会がとても多い曲だ。考えてみると、正式のコンサートだけではなく、ホームコンサートや発表会など含めると、弦楽器奏者は、生涯で一番沢山弾く曲ではないだろうか。うっかりすると暗譜してしまいそうだ(^_^) 演奏する方もとりあえず初級者でも弾けるし、聴く方もクラシック音楽になじんでいなくても老若男女を問わず喜んでもらえる、こんな曲はそうそうない、青い空・白い雲・・誰もが幸せになる名曲である。しかぁし、ちゃんと弾こうとすると突っ込みどころがいっぱいある。日本人が西洋音楽を学ぶための良い教科書でもある。
本番は来月、とある小学校で演奏する。子供にとっては初めて生のオーケストラを聴く機会かもしれない。勿論アマチュアのへたっぴだとは思うが、一生懸命練習して間違えてもしっかり弾けば、子供には伝わるはずだ、とは指揮者の弁。(と言いつつ、大きな声では言えないが私は京都旅行に出かけるのでこの本番はパス)
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