京は快晴。二条城も爽やか。帰路につく。最後に、蛸薬師通りの西の突き当たり付近にある「たから餅老舗」という京菓子屋さんで、うぐいす餅と、ゆず餅を購入、新幹線の中で食べる。京都旅行にも人ぞれぞれの楽しみ方があると思うけど、名所旧跡、仏像・庭園、建物、工芸品・・・様々なものがあってどれも深い。近頃は京菓子を楽しむことにしている。
色々買っては食べたりしているが、まだまだ一端に触れただけだが、これまでで一番おいしいと思ったのは、この店だ。おじいさんが一人で作って売っているだけの小さな店だが、腕は相当なもので、いろんな賞を取っている。京菓子は1000種類以上あると言うことだが、これまでになかった新しい菓子を作ることに情熱を燃やしているらしい。京には季節に合わせた典型的な菓子があるが、(たとえば、11月は「猪子餅」)形はおなじでも、それぞれの店で味が違う。材料を吟味し味に工夫を凝らす・・。3日ほど前にこの店でイチゴ大福を購入したが、その時入り口に大きなゆずの箱が置いてあった。ついたばかりとのこと。なので、今日買いに行ったのだ。店頭に並んでいなくても注文で、すぐ作ってくれるらしい。みたらし団子でも、注文を受けて目の前で焼いてたれを掛けて提供するというあんばいで、うぐいす餅もできたてに近く、その柔らかなこと!最高のものを吟味して工夫を凝らして1点づつ丁寧に作る、決して「行列のできる」様な店にはしない。近くの常連さんが買ってくれれば良いというような商売。だから、手は抜けない。京都の菓子屋の多くは、こんな風に対面販売を重視して、売れるからといって大量に作ってスーパーで売るようなことはしない。そんなことができるのもそれを支持してくれる沢山のお客さんがいるからだ。
東京だって今はスーパーとコンビニばかりで、一般商店は大幅に姿を消して街の姿が変わってしまった。東京は移民?の町だし不動産バブルの時代をきっかけにコミュニティが壊れてしまったが、京都には生活文化を守ろうという意識が強く残っていると思う。それがとっても好ましい。歳とともに、人の平凡な暮らしの中に幸せがあると感じることが増えてきたので(だから「暮らし」の中身が大切)、そう言うものを否定して、抽象的なただ金儲けだけが目当てのような考え方は寂しいものだ。(・・ま、これ以上余計なことは書かないことにしよう)
京都のテレビ番組で「和菓子で巡る京の四季」というのがあり、これを欠かさず録画しているが(神奈川テレビでも放映している)、WEBサイトでは京都の菓子屋マップもあり、興味のある人は一度覗かれることをお勧めする。京都はパン屋も数多く個性的で少しずつ開拓中。(今のお勧めは、ホテルオークラの地下にあるパン屋のクリームパン(^_^))
関係ないが、同じ古都でも、鎌倉は老人ばかりだが、京都は、大学の数も多いし若い人も結構多い。まあ、町の規模が全然違うから比較はできないが。でも、ともかく、若い人に活躍の場が与えられなければ町は衰退する。新しい文化を発信する力は京都は強いものがある。そして、人々がそう言うものを許容したり応援したりする文化があるのだろうと思う。音楽や美術の市立の専門高校もあるのも京都ならではだし。
ともかく、京都はおもしろいところだ。でも、大きすぎて住む気はしない。長期の旅行なら最高に楽しい。老人のためのJRの「大人の休日倶楽部ジパング」というのに入ったら、新幹線が乗車券特急券すべて3割引だ。これは大きい。この点だけは、歳をとって良かった(^^;)
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