時々読んではその感性に感心している長谷部一郎さんのブログに「スペシャルのドルチェ」というタイトルで弦のことが書いてあった。プロもアマチュアも色々と試して見ると言うことだけは(その中身は違っても)同じで興味深い。が、私はと言えば,もうこの2年以上、楽器についても弦についても、まったく変化がない、もう完成形と思っていて,試すことは時間と金の無駄だと思っている。
キチンと調整された楽器で最適の弦を見つけているなら、鳴りに不満が出てくる原因は弦の劣化が殆どのようだ。弦を他の種類のものに取り替えてどうのこうのと無駄遣いをする前に、同じ弦を新しくして見る方が正しいと思う。そういう風に決めたので、もう悩むことはなくなった。
楽器の音を決めている変数はものすごく沢山ある。楽器の調整もものすごく時間がかかる。複数の変数を同時に変えてしまったら、何が原因でどうなったのか分からないから、変数は1つづつ変えて試していかなくてはいけない。いっぺんに全部「よくする」事なんか出来ない。ミュートを1つぶら下げているだけでも、ウルフキラーを1つつけているだけでも、弦にビニールのスリーブを付けているだけでも響きが変わる。ある状態が良いと思ったらもう動かさない,長い時間を掛けて,何か1つだけ変えても良いが,それでしばらく我慢する。長い時間の間に奏法も変わるし,弾きたい曲も変われば,求める音も変わるだろう。こちら側の変数が変わるのだから,事は複雑で,頭がおかしくなる(^_^)
求める音があるなら、楽器の条件は変えないで、こちら側の変数を変えるのみ,と、今のところ考えている。なるべく何もしない状態で楽器の良い音を引き出したい。
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