久しぶりに沢山の方々とお会いでき、楽しい楽しい会でした。やっぱりチェロは良いな、チェロ仲間は良いなと思えた1日でした。
この日のために、そして当日も様々な準備に奔走された、事務局の方々に心より感謝します。私たちはただ楽しむだけですが裏方の皆さんの献身がなければ、今日の成功はありません。
世界中のオーケストラでもチェロパートは皆仲良しだと聞きます。チェロ族は、チェロを弾くというだけですぐ仲間になり、しょっちゅう集まっては演奏したりお喋りしたり、というのが当たり前。街でチェロを担いだ人を見かけるとつい話しかけたくなりますが、バイオリンならきっと、「ふーん、バイオリン弾くんだ」とか思ってお互いに顔を背けているのではないかと(個人的意見です)想像します。チェロは特別です。プロもアマチュアも垣根なくともにチェロと音楽を探究し楽しむというチェロ協会が今後も発展していきますように。そして、さらに、チェロにとどまらず、この精神この雰囲気をさらに広く拡大していければ何よりです。
外に出ると、綺麗なイルミネーションが迎えてくれました。チェロ族の前途に幸あれ、と。
ところで、今日のトークイベントで、印象に残った言葉をいくつか少しづつ忘れないうちにメモしておこう。トークショーでは沢山の人の話を聞き、親睦会でも色々な人とお話したので、ここには書き切れない、というか内容がごちゃごちゃ(^_^)。
辻本玲さん: 練習はいつも録音してチェックする。イヤだがそうする。演奏している時は夢中になっているので、客観的に音程などチェックする必要がある・・。
山崎伸子さん:最近の生徒は、YouTubeとかで聞いているせいか、誰の演奏を聴いたの?と聞くと、一番最初の奴です、とか言う、殴ってやろうかと思う(笑) 演奏している人の名前を知らない=誰が演奏しているか知らない、というような聴き方でよいのか・・
岩崎洸さん:(往年の大家の演奏について)音程感が昔と今では違う。今の演奏は、実に完璧だが、段々コンピューター化して、平均律に近く聴こえる、昔は、導音が狭く、それを強調していたりして、今の人が聴くと、音程が悪い、と聴こえたりする。・・カザルスの生地ベンドレルの記念館でのカザルス音楽祭に招かれた時、次第にカザルスが忘れられていく、何とかして後世に残したい、と言われたが、どうやったらよいのか。若い人にも聴くように勧め、レッスンで聴いてくるようにいうと、次のレッスンの時には見違えるような演奏になっているということもある、色々と聴く事も大切・・。練習の時、昔はオープンリールのテープレコーダーで録音したものだが、カザルスの時代にそんなものはなかった、どんなに耳が良くて自分の演奏を客観的に聴くことができたのかと思う。・・
(ちなみに、先日行った京都の和食の店の大将も、常にもっと旨い出汁の取り方はないかと追及している。出汁が命だ。料理は技術ではない、テレビや本や料理教室なんかで料理好きのお嬢さん達が覚えて料理を作っても、それはお子様向けの料理で、本当の大人の料理は出来ない。若い人は技術を覚えたいとそればかり知りたがるが、技術なんか何の役にも立たない。もっと根本の所を伝えなければいけないが、どうしたらよいのか・・・と語っていました)
堀了介さん:フルニエのレッスンで、近くで聴くその音に驚いた。シャリシャリとノイズっぽく実際の演奏で聴くビロードのような美音ではない。が、離れて聴くように言われ、少しづつ遠くで聴いていくと、楽器が違うのかと思うほど音色が変わる。・・ビブラートは何種類あるかではなく、音楽に合わせて無限に変化する・・・。レッスンではショックなことが多かったが、よしやってやろうという気にもなった。
倉田澄子さん:こうちゃん・・あら、こうちゃんって言っちゃったわね、 岩崎先生・・
堤剛さん:チェロを通じて・・世界平和・・
中島顕さん:(才能教育の生徒達に)音楽家になるようにとは指導していない、チェロを通じて人間を育てたい・・
香月麗さん(2017年日本音楽コンクールチェロ部門第1位、桐朋音大3年):小さい時は音楽家になるなんて考えなかった。中学生の時、初めてペンションセロで開かれていた倉田先生のマスタークラスのレッスンを受けてから、全てが始まった。それまでは、ただのお稽古だった。倉田先生に引っ張り上げていただいた。
(倉田先生のレッスンを1度でも受けたことのある人なら分かると思うけど、単に技術的に目からうろことか勉強になったという事の他に、チェロや音楽の深い喜びを感じたり、自分の可能性を信じたり、もっと大きな喜びに向かって頑張ろうというような精神的に覚醒されるような体験をしただろうと思う。レッスンのあと電車に乗ってからもニヤニヤ笑いが止まらない、という経験を多くの人がしていると思う。)
小林幸太郎さん(自作曲指揮):とても良かったと思います。最後の所なんか思っていたとおりの音で、感動しました。・・で、ここのところもう少しこうしてあぁして・・・「では、やってみましょう。」(普通の指揮者はこういう言い方はしない、せいぜい、では最初から!とか、お願いします、などという。一緒に音楽を作る、こういう姿勢・人柄が多くの生徒達を魅了するのだろう。)
なお、懇親会の時のスピーチで私の事を「アマチュアの星」とか紹介して下さった方がいたが、正確には、アマチュアの☆1つ、ということです。なかなか☆☆とか☆☆☆とか点を付けてもらえない。一生下手っぴでしょう。
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