今日はハーモニカセミナーの3日目。ホールと食堂とでレッスンが行われている。レッスンの様子を時々聴いていると、チェロでも役に立つ気の付くことが沢山ある。ソロでもアンサンブルでも。特に、チェロもハーモニカも基本的にメロディ楽器だから歌い方の問題点は共通だ。
特に(もちろん私を含め)下手な人の演奏は、聴いていて気持ちよくない。安心して聴いていられない。その1つは、本人が気が付かないけれど、息の都合や弓の都合で、不用意に音が大きくなったり膨らんだりすることだ。昔ながらの(まっとうな)歌詞とメロディが合っている歌を歌っていたらそう言うことは普通起こらない。そこが歌と楽器との差で、音出しが間接的になるから、コントロールが難しい。でも、常に歌うように心がけて呼吸に神経を使っていれば、そうひどいことにはならないはずだ。それと、これは歌でも同じだろうが、フレーズの意識を常に持っていること、これは、「いろはにほへとちりぬるおわか」ではなく「色は匂えど散りぬるを」という意味を持たせるのと同じ。だいぶ前から、日本語の歌は乱れに乱れているから、美しい言葉は失われているが、器楽の世界では、まだ古い伝統が生きていて欲しい(^_^) 意味のある、意味の通る演奏を心がけたい。
講師の一人は盲目である。が、音を聴いていて、どんな風に吹いているかどんな形どんな姿勢になっているかが分かるようだ。事細かにそれを指摘・矯正している。それくらい、弾く時の姿勢は音に直結するのだろう。昔、才能教育の鈴木慎一先生は、生徒達の演奏テープを毎朝聴いて、それにコメントをつけて送り返していたのだが、生徒の問題点をきちんとしていたという。音を聴いたら姿が見えるのだとか。正しい姿勢は、演奏の基本だ。音符ばかりにしがみつかないで気をつけたい。逆に、正しい姿勢とは、良い音のする姿勢だろう。正しい姿勢に外見だけこだわると言うより、よく自分の音を聴いて良い音が出せる姿勢を探すと言うことだろう。
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