与謝蕪村の「宜冬」(ぎとう)は私が1番好きな南画です。大学の頃から、持っていた薄い日本画集の中にあったのを切り取って額に入れて机の横に置いていました。
江戸時代、京都のなんとか言う画商が、蕪村には「十の宜(よろ)しきこと」池大雅には「十のたのしきこと」というテーマで画を依頼したその中の1枚。
山には小さな道が上に続いている崖の下の小さな家、冬は寒いが、北風を木々が防いでくれる、、やがて芽吹いて梅も花を咲かせてくれそう・・そういう景色。冬の中の暖かさを感じさせる絵ですね。
冬の木々はギスギスと硬く寒々しいですが、2月を過ぎる頃から、次第に、小さな芽が膨らんできて、それは目には見えないけれど、全体としては何となく柔らかくぼーっとした感じになってくるのがこの季節。
毎日散歩に出ているので、そういうかすかな季節の移ろいも愉しむ事が出来ます。福寿草も咲き、フキノトウも姿を現してきます。春の畑作りの準備もそろそろ考えなくては・・・
ついでに、二十四節気のうちの「啓蟄(けいちつ)」冬ごもりしていた虫がごそごそと顔を出し始める、ということですが、今年は3月6日だそうです。もうすぐです。
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