ところで、私が鴨の美味しさに目覚めたのは50過ぎ。むかーし映画の帰りに彼女と銀座の煉瓦亭?で食べたのが最初。それからずっと鴨は選択肢になかった。次に食べたのは多分、御殿場にあった草季庵という蕎麦屋。このご主人とは大変仲良くしていて家族ぐるみの付き合いだったが、しばらく前に急逝した。で、鴨せいろの基準はこの草季庵だ。ネギは焼いてたっぷり、鴨はフランス料理にも使うもので柔らかい。亡くなった直後に食べログで全国のレストランランキングでで11位になった。奥さんから電話があり、泣き声で訃報と共にその事を知らされた。味のためにはなんでもやるとかで、毎朝良質の水を汲みに遠くまで行くほど蕎麦にかけて努力していたのだからそれは何よりのご褒美だったろう。
それにしても歳をとると(そう言うほどの高齢ではないが)愉しい事もある一方悲しい事も増える。それは親しかった人が亡くなるのを聞くことだ。
草季庵の横山さんが亡くなったときのことは、以前記事にしている。丹精込めて作ったこの店は今どうなっているだろう。
コメント