熱海に出かけてみた。桜は満開。この時期どこに出かけても山のあちこちが薄いピンクになっているのが分かる。日本は桜の国だと言うことを実感する。桜は品種改良を重ねられたくさんの種類がある。桜にかけた日本人の情熱は大変なものだ。
日本中で新しく植えられた桜は「ソメイヨシノ」という品種が一番多いかもしれない。ピンクの色が濃く華やかである。それももちろん素晴らしいが、古代の日本人が愛した桜は、山桜である。葉と一緒に花が咲くのが何とも言えないバランス。色は薄く、匂うがごとく咲くとはこういうことだろう。これが日本の美意識の基本になっているはずだ。
日本中の「花の公園」と称するところでは、パンジーだのチューリップだのベゴニア等園芸種をお金をかけて植えて見せている。一種の公共事業だから、金がかかるほうが良いらしい。都会の中ならまだしも豊かな自然に恵まれた地方の公園でも同じようにしている。あ、そういえば、山梨に有名な桜の古木が何本かあるが、その1つ新田の大糸桜を見に行って驚いた、畑の真ん中に南アルプスと対峙するように見事な大木が立っている。それは素晴らしいが、その桜の足下に地元の人が植えたのだろうか、チューリップやパンジーがたくさん植えてあった。きっとお客さんがたくさん見に来るので、きれいに飾ろうと思ったのだろう。なんと申しましょうか・・・今年はどうなっているんだろう・・・
恥ずかしい、奥ゆかしい等という言葉や事は死語になりつつあるようだが、山桜を見ていると、こういう美しさにもっと気がつくべきだと思う。山桜でなくても、日本の野生の野の花を見ていると、もう園芸種などの、これが赤です、これ黄色、というような幼稚な?花をみてきれいだとは思わなくなる。いよいよ私の家の周りでそのシーズンが始まる。マクロ撮影のできるデジカメで撮影してじっくり観察して欲しい。
「野の花を見よ」
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