チェロを独習している人は、こんな状態なんだろうな・・・弾くだけなら簡単なので、どういうことを考えて練習するかと言うアイデアがあんまりない。私流には現在、このようにしてみようかと思っている。(念のため、これはあくまで現時点での私の推測。レッスンによって変わるだろうし、また、人により変わるだろう。エチュードとはそういうもん。
まず、この曲では、絶対必要と言う以外ビブラートをかけないと言うのが基本。バッハの無伴奏チェロ組曲のサラバンドを弾く時のような気分。何より安定したボーイングが必要。ボーイングの問題がはっきりするようにビブラートはしない。ちょっと過酷だが訓練訓練。細くp.mp.mf.f など強弱の指定が書いてある。ノンビブラートで響きを保ちつつ、この強弱を注意する。
pやmfなど強さの指定はそれぞれが層をなしていて混ざることはない。pの中で強弱してもmfの大きさにはならない、mfに向かってクレッシェンドデクレッシェンドを繰り返しながら次第に全体として大きくなって行く、かつその中にアクセントが付いている、と言うことはよくあるが、これも各層のレベルが少しづつあがっていくと言うことで、その中の変化は実に繊細。でも、喋ったり歌ったりする時はこれを普通にやっているわけだ。これを弦楽器で演奏するのは大変難しい。なおかつレガートで弾く、泣きたくなるほど難しい。でも今できなくてもいつも狙っていることが大事。
マスタークラスを受講する音大生なら普通にやってのけるし、それができるかできないかは(他のことでも同じだが)要するに
その意思を持っているかどうか、
次に耳の訓練。センサーを持っているかどうか、
そして、それをなしうる筋力のコントロール、強さ、である。
1つ1つは地道な訓練で誰でも身に付けることができるはず。才能ではない。
ともかく、今やっている6曲の中では一番神経を使う。でも、少しうまくいくとバッハを弾いているような快感がある。とっつぁん、じゃないドッツァウアーもやるもんだなぁ(^^) しかし、初級者にはちょっと難しいんじゃないの?
左手は完璧な音程と明瞭な発音、そして右手は柔軟繊細なコントロール・・・ そういえば、思い出した・・・
バイオリンのフリッツ・クライスラーはカザルスのことを「弓の王者である」と讚えている。そのカザルスが、運弓のコツとして勧めていたのはたった1つの練習。全弓をつかってクレッシェンドとデクレッシェンドをゆっくり7回繰り返す。というものである。
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