夏休みの最中ではありますが時間を見つけてはチェロをさらっています。
せっかくレッスンを受けて練習してきたのに、元の木阿弥にはしたくないので・・・
手の力を抜いて弾く事を心がけています。それで、突然悟ったのですが、演奏寿命を長くする練習ってのもありだぞって。そしたらゆっくり上手になれば良いのだから。
思えば、そんなことは考えた事もなかった。70歳くらいまでは何とか弾けるかな・・くらいの考えしかなかった。
これは間違いかも知れない。70過ぎても弾きたければ、そういう訓練をすれば良いのかも。
昔、チェロを習い始めたばかりの頃、チェロを構える姿勢のお手本として、カザルスの演奏姿勢の写真を飾っていたものだ。チェロを寝かせ過ぎない、体で包み込むように楽器を収める・・・と言うところがポイント。その後、エンドピンを長くするほうがかっこいいような気がしてそうしたこともあり、でも、段々短くなって楽器を立てるようになってきた。これは色々な考えがあるだろうが、手ほどきをして下さった佐藤良雄先生は、カザルスをお手本にする理由として高齢になってもチェロを弾けると言う事をあげていた。それ以降、年齢の事なんか気にもしていなかったが、還暦が近づいてくると、ふと、そういう事が頭をよぎる。人類の英知と言うか、知恵と言うものが働かなくてはいけない年代なのだろうか。
その時になって気がついても遅い、後の祭りである。人生は後戻りできないのだから知恵が必要だ。
チェロだけじゃなくて、高齢化社会を迎えるには、色々な知恵が必要なのではないかと思う。
「遅過ぎる事はない」これは歳をとってからチェロを始める人を励ます言葉だ。
「早過ぎる事はない」これが、老齢化対策ではないだろうか。
チェロで言えば、無駄を無くし、余計な力を抜いて合理的に練習する事、
これを一般的に敷延して考えて行けばヒントになるかも。
歳をとって力が無くなった事を考えて普段から脱力をはかって練習すれば結局は良い音で弾けるはずだ。
富士登山で言えば、最初から疲れ切ったような調子で登って行くと、疲れずに結局早く登れるものだ。
バイオリンの才能教育の鈴木慎一さんの本によると、バイオリン練習のコツは、「焦らず、急がず、休まず」
これは真理だなと思う。山登りでも体力に自信があると勢い良く登って、上の方で、こっちだぞぉ!早く~!なんて叫ぶタイプが8合目でがっくしと言う例は多い。わーっと登るが、しょっちゅう宴会休憩をやる・・・
3番目が知恵の課題。「休まず」というのは、全体を見通す知恵が働いているからだ。
一般的な日常生活の中でも、そのような発想で考えて行く事ができそうだ。
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