どういうところがアマチュアはプロの演奏家と違うのだろう、と時々考えてみると、もちろん全てが違うけれど、仮に音楽性にそう差は無いはずと仮定しても、その表現には大きな差がある。技術の差だと言えば何となくそう言うものかと思えなくもないが、そうでもない。(所詮、技術と音楽性は切っても切れないのだから、最初の仮定が間違っているように思う)
この数年、初級者とお付き合いすることが増えて、年数ばかり経て相変わらず初級者の実力でへたっぴを自称する私ではあるが、人のふり見てなんとやら、なるほどこれがいけないのかと色々勉強になる。
(念のため言い添えますが、初級者初級者といいますが、私は万年初級者、何度レッスンを受けても基礎ばかり指摘されています。でも、初級者が中級を目指す方が中級が上級を目指すより素晴らしいと思っています)
取り出せばきりがないが、何とか弾けるようになって一応発表とか合奏とか人に聴かせよう、一緒に音楽しようという段階になると、なんだか楽しくないなぁ、とよく聞いてみると、私たちアマチュアはどうも音楽性?に欠けているとしか思えない。(^_^)
先ず、弾けるには弾けるようになっても、演奏が「もぐら叩き」になっている。
これはどういう事かというと、書かれた音譜をデジタル的に1つ1つたたいてつぶして行っている演奏、という感じ。確かに、正しい音程、間違っていないリズムではあってもそこには音楽がない。どういうフレーズなのか、何所に向かっている音の流れなのか、いろはにほへとちりぬるをわか とデジタル的に切ってしまっては「色は匂えど 散りぬるを 我が世 誰ぞ常ならむ」という無常観を詠んだ歌には聞こえない。(厳密にはプロだっておかしなのがあるけど)
勿論、そうなる理由は、分かっていないということとともに、音をつなぐ技術ができていないと言うこともあるけれど、’テクニックの前にやっぱりそういうテクニックを必要とするような意識が無いのがアマチュア。アクセントを付けるべきでない音譜に「自然に」アクセントがついてしまったり、でも、注意されれば、そんなにアクセント無しでも弾ける、注意されなければ、簡単な事でも野放図になる・・これはテクニックの問題ではない。こんな事は山ほどあって、だから、プロが商売になるワケだが、この所思うのは、先ず、この「モグラ叩き」を止めようということ。基礎練習はこれでよいとしても、そういう風に「演奏」するのは止めよう。
私の場合フルートですが、この楽器はチェロよりも正にモグラ叩きの楽しさを味わえる楽器です。息入れながらパタパタ指を動かせばそれなりの音が出るし・・・おまけに酸素不足がほど良い幻覚まで起こしてくれるのですから(笑)
始めて三年程はとても楽しかったけど、その内モグラは進化して、とても叩ききれなくなったり、アンサンブルの時の何だか音痴っぽい事が気になるようになり何が問題なのかやっと考え始めました。転居を機会に、それまでのグループレッスンから個人レッスンにしたら、そこの所のコツをチョイと教えて頂けるかと思ったら大変な先生の門を叩いてしまいました・・・何が大変だったか続きはこの次・・・
投稿情報: 童夢の妻 | 2008-01-25 23:19
続き、今朝になって読み返すとgoshuさんのご意見と私の思っている事がちょっとちがうような感じかなぁ。
童夢にいたっては「何でチェロ弾く事がモグラ叩きなんだぁ?」と申しております・・・
大人(39歳)になって習い始めて3年以上フルートらしい音も出てないのに、曲はみんなラルゴになっちゃうのに、「音が苦」を身近な人に与えても私は音出すだけで楽し〜ぃ、「音楽」している〜ッなんて思う事が何年も出来たのなぁ?
と振り返った時、あれは「モグラ叩きゲーム」のような楽しさだったのかなと思った次第です。
子供はすぐ飽きちゃうけど、大人は小さな喜びを長続きさせられるのは良い事なのでしょうか?
壁にぶつかる苦労を避ける術を知らずのうちに使うのか?優しい先生が壁を見せないように先回りして下さっているのか?
投稿情報: 童夢の妻 | 2008-01-26 09:14
あんまり良い比喩ではなかったかも・・(^_^) 「モグラ叩き」の典型は、子どものピアノ練習。弦楽器はあんな風な音は出さないはずなのに、やっぱりやってる(^_^)左手が鍵盤で、右手が腕。右手(弓)はただ音を出すスイッチでしかない、とも言えるかも。左指はデジタル的正確さが要求されると思うけど弓に求められるのは違うもの。
書いてある楽譜の音譜1つ1つを出会い頭にすっとんきょうにたたきまくる、全部たたけると「できた」と思う。・・ま、極端な言い方ですから、読んだ方はお気を悪くなさらないよう
これを避けるにはいくつかの方法があるなぁと確認。1つは、レガートで弾けるようにする練習。それから、色んな話法を覚えること。そうしたら初見であってもとんちんかんな弾き方はしなくなるでしょう。バロックなのかモーツァルトなのかベートーベンなのか、少なくとも手まり歌のような一分の一拍子では弾かない、とか。
う〜ん、やっぱりボーイングの問題かなぁ・・先ず、弓を速くも遅くも動かせること、それだけでも全然変わってきますね。
投稿情報: goshu | 2008-01-26 09:58