時々昔弾いた曲を弾いてみるのは自分の進歩を確認するのに良いですね。アベマリアは簡単なんてブログに書きましたが、昔弾いた時は長い音をたっぷりと響かせることはできなかったから、弾いたふりは出来たものの音がぶちぶちに切れてちっとも良い演奏ではなかったでしょう。所詮、「演奏」なんて事は考えてもいなかったと思います。譜面が音に出来ただけで満足してた・・(^^)
本当に久しぶりに弾いてみて長い歳月を感じざるを得ません。
夜NHK BSで 高橋真梨子さんの歌を聴きました。上手ですね。声の質も良いし、言葉のニュアンスが伝わってきます。チェロでこんなに音色を使えるか、工夫しているかっていうと、まだ、弾くのが精一杯。やっぱり、どんな難しい曲が弾けるかってことより、簡単な曲でもその音色に魅力があり、ニュアンスに富んでいたら聴くに値するだろうし、簡単な?曲を弾き込んで魅力的な演奏、魅力的な音色ができるようにする方がよいなぁ・・
で、その魅力的な音はどうしたら作れるか・・やっぱり、第一に発音の良さ、そして大きな充実した音が出せる事、これが出発点だと思いますね。それがないのに、雰囲気だけその気になっていてもそれは伝わらないのではないでしょうか。ただ歌が好きなだけで発声練習とかしないで、うわっつらだけで歌っているようなもの。(それでも本人は楽しいのは間違いないのですが)この基本をある程度マスターするのに、それこそ個人差が激しいですが、フツーにやってるだけだと10年はかかるでしょうか(それでも駄目な場合も多いでしょう)。どんな曲を弾くのでもよいけれど、ちゃんとしっかりした音が出せるように、それが出発点、
しっかりした音と正しい音程、考えてみたら、大人になってからチェロを始めた人は、この2つが大きな課題。と言うのは、どうしても先へ先へと行きたがるし、簡単なことをきちんとやるという忍耐力(子供ならすぐ出来るかもしれないことなのに)が欠けてくるからです。次々と難しい曲に挑戦するばかりでなく、昔弾いた簡単な曲(今回色々弾いてみてグノーのアベマリアは響きも自然で練習の確認にとっても良い)でこの2つをおさらいするのはとってもためになると思いました。簡単な曲で落ち着いて完璧に弾くようにする、それができるようになるとそれは本当に身についた実力になるという気がします。昔の曲を上手に弾くように努力するのは無駄なことではないですね。というか、ちゃんと練習していたら必ず昔より上手になっているのを発見するでしょうし、それは大変励みになります。
「学びて時にこれを習う、またよろこばしからずや」(論語巻一)
いつも拝見しております。今年から練習を始めたばかりの者なのですが、「(大人は)どうしても先へ先へと行きたがるし、簡単なことをきちんとやるという忍耐力が欠けてくる」という言葉、よく憶えておきたいと思います。
どうやら「単純=簡単」じゃないんだなぁ、ということがやっと分かってきたところなので、とてもためになりました。
投稿情報: こ~りゃん | 2009-06-11 14:49
こ〜りゃんさん 今晩は
まだ始めて数ヶ月ですね。あっちこっち痛かったりこったり疲れたりするでしょうね。(^^) 弓や楽器を持つのがまだしっくりしていないかも・・
10年単位の長期計画でじっくりとやって下さい。10年は長過ぎると思うかもしれませんが、10年や20年でちゃんとよい音でしっかり弾けるようになるとすればその後の2,30年がとっても素晴らしいことになります。私なんか考えてみればチェロを弾いて40年、そのうち最初の3年と最近の4年以外全く進歩のなかった30数年、無駄だったと思うからです。長いようで短い、短いようで長いです。(^^)
投稿情報: goshu | 2009-06-11 21:47
ご返信ありがとうございます。「10年!!」と思いましたが、考えてみると10年のあいだ進歩を続けるとしたら凄いことですものね。
先生には「もっと力を抜きなさい」と言われますが、すると弓がふらふらになりますね。精進したいと思います。
投稿情報: こ~りゃん | 2009-06-12 13:09
私が20代でチェロを習い始めるとき故佐藤良雄先生から言われたのは、「やるなら一生やりなさい。そうでなければやめておきなさい」です。その時はその意味がよく分かっていなかったと思いますが、今にして思い当たります(^^;;
ちょこちょこっとやってすぐうまくなったり、そんな浅いもんじゃないんです。園芸だって「水やり3年」というくらいなんですから、人類文化の深く広い世界に触れるのに10年や20年はなんて事はないのです。
「力を抜け」とはよく言われますが、これは誤解の多い言葉だと思います。力を抜いたら何も持てません(^^) 筋トレも必要ですし、力のある人が力を抜いてこそ意味があると思います。ともかく、正しい持ち方を心がけるようにして、後は力が入っても何しても構わないから沢山練習する事ですね。それで、何が正しいかはよい音がするかどうか、楽に弾けるかどうか、その結果に耳を澄ます事だと思います。「いつも」重みを乗せて良い音を出すことに注意するのがうまくなるコツだと思います。そんなことコツかと思うかもしれませんが、意外とそういう風に注意しなくなるのです。大事なことに注意を払わなくなるのです。
投稿情報: goshu | 2009-06-12 14:32