チェロという楽器は低音楽器の筈なのに低音(特にC線)が良く鳴らないのが普通(G線が一番良く鳴る)。よほど素晴らしい楽器でない限り、普通のチェロは、低音が重い傾向にある。たとえその弦を弾いていなくても共鳴の関係で響きが違うのは調弦の出来ていない楽器は鳴りが悪いのと一緒?
対策はその楽器の特性を理解しながら試行錯誤する長い時間と手間がかかるが、とりあえず素人でも試してもよいのは弦を同じ弦のソフト弦(普通soft,midium,strongの3種類がある)にしてみること。ソフト弦(softまたはweich)は、音が柔らかいとか小さいと言うより、線が細いので発音が楽とのこと。楽器が低音が重いなら弦を軽くしてバランスをとってみると言うことらしい。先ず、それをやって様子を見る、それで、どうなるかと言うことを1つ1つ重ねていって楽器の特性を知り、駒や魂柱の位置等々沢山の変数を1つづつしらみつぶしにやっていく、と言うのが調整。1つのことを試すときは他のものは動かさない、そうでないとめちゃくちゃ(良いと思われることを全部やるというのはよろしくない)
で、早速楽器店からParmanentの第4弦(wolfram=タングステン弦)のweich弦を購入。最初試し弾きするとなんだかがさがさノイズがする。どうやらこれまでが松ヤニの付けすぎらしい。弦になじんだところで弦の松ヤニをとる。つまりはこれまでのように付けなくても鳴ると言うこと,発音が楽とはこういう事かも。
ちなみに、某有名チェリストもこういう風にしているらしい。別の某チェリストも体調の悪いときは、低弦にソフト弦を使っているとか。
今の曲は高音ばかりで4弦を殆ど弾かない、のではあるがその高音も伸びやかになった気がする。ブラームスも弾いてみるが抵抗感が減っている感じ。とりあえず。まだ誤差の範囲かどうかは分からない。大体、楽器の音は少し離れたところで聴かないと分からない・・と言うわけで新しいマイクも物色中(それてるそれてる(^^;))
楽器の調整は音を聞き分ける耳と、その変化(嗜好)などを表現して相手に伝える言語能力が必要、病気の具合を医者に伝えるのと同じ、それは痛いのかかゆいのか、どう痛いのか、ちくちくするのか、ひりひりするのか,ずきずきするのか、重いのか、張った感じか、etc・・・何でも良いから治してと言いたいところだがこれが難しい(^^;)
もっと良い音にして下さい,と言われても困るだろう。もっと練習しなさいとか言われて終わりかもしれないし(確かに殆どその通りだが)、良い音のイメージは人により異なる、明るい音、澄んだ音、大きな音、甘い音、艶のある音、ビロードのような音、張りのある音、柔らかい音、更に凄みだの深みだの香りだの・・・,もう楽器の領域でないようなことまで要求する(^^;) けれど身の程を顧みず音色を追求しようという意欲がなければ楽器を弾いていてもつまらない。アマチュアの安い楽器からもシンジラレナイ素晴らしい音を弾き出すプロの力、それは技術力と言えばそれまでだが,むしろ音色を追求したいという欲求の強さと思う(プロとアマの違いはその音楽や音色に対する欲求の強さの違いだ)。アマチュアは、この楽器はこんなモンだと思っているからそんな音しかしないのだ。(音譜が音になったら終わりではなく)たとえプロでなくても絶えずもっと良い音もっと良い音をと狙っていなければ,いつまでたってもチェロの音はしない。
コメント