少し前の記事で田丸さんのコメントから、思い出した事をこっちに書きます。
私も本当はモノラル派で出来れば1本のスピーカーで音楽を聴きたいのです。大学生の頃は、ダイヤトーンP-610Bという16cmのスピーカーを菓子箱に入れてそれで毎日フルトベングラーを聴いていました。そもそも聴いているのがモノラルばかりだったし、SPからの復刻版で、想像力で聞いているようなものです。
当時のステレオ音源は、音楽的にはひどいモノで、左右別々の音が出ると言うことを強調したモノでした。やがて、ステレオの良さは、そういうことではなく、音がより豊に臨場感があると言うことに落ち着いていきました。ところが、本当にそういう風に音楽を楽しもうと思うと、リスニングポイントは1点しかない理屈だし実際にそうです。頭を前におこすか背もたれにくっつけるかで音ががらっと変わってしまいます。スピーカーの最良の位置から動かないで音楽を聴くというのもちゃんとしたリスニングルームがない家では難しい問題です。でも、マニアと言われる人は、その最良の一点を求めて調整に時間も金もかけて熱中するわけ。世界一でなければならないのですか?という基本的な質問に、バカにしたように世界一を目指さなければ良い研究なんか出来ねぇんだよトウシロ!とマスコミやらそれに乗せられて熱狂的な人々が騒いでいたことがあったが、1人で(ここが肝心)本当にそれは意味があるのか、どういう意味があるのか、他の工夫はないのか、と静かに考える知性が欲しい。スピーカーの最良の一点が本当に価値があるのか・・。私は静かに音楽を楽しみたい。狭い部屋にスピーカーが2つというのは落ち着かない、更にその真ん中でしか聴けないというのも窮屈。まぁ、客観的にどうかと言うより心の問題。
昔、モノラルで、しかし音響を豊にするために部屋の角において聴くためのスピーカーがありました。故佐藤良雄先生のご自宅にはGoodmanのそういうスピーカーが1台おいてあり、憧れたものです。近頃の人はiPodなどで圧縮音源をしょぼいイヤフォンで聴くのが普通のようですからそれなら良質のモノラルスピーカーで聴く方がよっぽどましという気もします。
そもそも私は同じようなモノを2つ持つことが嫌いです。仕方なく弓も2本持っていますが、本当は1本にしたい。カメラにせよオーディオにせよ、よりよいものを買ったら前のものは売り払うか捨てる、2つ並べておきたくないと言う性格。(友人で、これからの夢は会社を一部上場し、別荘を2つ持って、ちゃんと2号を囲うと言う馬鹿者がいますが、そんなやつの気が知れない)
話を音楽に戻すと、所詮録音ものはまがい物(グレングールドは別)。近頃CDが売れなくなったと言う話を聞きますが、ネットが主流になったと言うこともあるだろうけど、所詮まがい物(汗1つかかずこれが音楽だと言って何もしないでお金が入るCDというモノ)を売って商売してたのが間違いで、元のあるべき所に戻っていったと言うことかも。音楽は生で体験するもの。ただコンサート会場が音響的によいかというと決してそんなことはなく、コンサートは見るものであり体験を多くの人と共有すること、その場に居合わせる(ただし心を1つにすると言う条件付き)と言うことに意味があると思います。私は、静かに音楽を楽しみたい派なのでコンサートもあまり好きでない。「熱狂の日」とか題する音楽イベントがあるようですが、無条件に嫌いだ(^_^)。
一方、左右別々に聞こえるのがよしとされたステレオ初期から、豊かな音場再現への流れ、4CHから5.1CHへ。で、技術的に進歩し、かつ部屋や使い勝手の都合から、スピーカー3台で擬似的に5.1CH サラウンド感を再現する機器もいくつか出ています。それなら是非スピーカー1台でわざとらしいサラウンド感はいらないからより豊かな音の出る機器も登場して欲しい。
(ヤマハのデスクトップ型の小さいのではこんなのもあるんですが・・)
5.1CHが駄目な環境ならステレオだって本当は駄目な筈。外ではiPodでイヤフォン。家では良質なモノラルというか1本、特別な時は、高級ヘッドフォンでステレオというのが良いのでは?
はじめまして。
ステレオがお嫌いでしたら、
無指向性スピーカーはいかがでしょうか?
「波動スピーカー」又は「エムズシステム」で検索してみてください。
変な名称のスピーカーですが、ライブ感というか空気感のようなものは、すばらしいものがあります。
投稿情報: KUMA | 2010-03-08 12:32
KUMAさん こんにちは
早速サイトチェックしました。面白そうですね。今度試聴してみましょう。
投稿情報: goshu | 2010-03-08 14:54
goshuさま
放送局ではテレビやラジオの放送をステレオで放送もしていますが、ニュース番組など一部はモノラルです。放送局のニューススタジオの副調整室には、昔からダイアトーンの大型スピーカーが定番でした。
大口径のものですがモノラルでアナウンスやVTRの音声をミキサーが聴いて、合成していきます。
人の声は音声担当者によって硬く、柔らかくいかようにも調整されます。だから放送直前にマイクテストをするのですが、短い時間に音声担当者はアナウンサーの声の調子、体調もかぎ分けて、自分なりに好みの音声に変えてしまいます。だからあとでVTRをみると自分の声がアレンジされていることに違和感を覚えることもあります。声に体調が現れる…当たり前のようで怖いです。そのスピーカーがダイアトーン。実に素直な音が魅力ですしYANAHAのNS1000Mなどの銘スピーカーもよく録音スタジオで見かけます。
TANNOYも弦楽器再生能力は高いけど人の声はダイアトーンだと信じています。
投稿情報: 田丸一男 | 2010-03-08 23:24
田丸さん なるほど 声はダイアトーンですか。それとアナウンサーの声までミキサーが好みのモノに変えてしまうんですね。原音収録再生なんて考えてないわけですね(^_^) これは楽器でも同じ傾向でしょうし、そもそもオーディオの楽しみも自分好みの音で好きな音源を聴くことにあるのでしょう。でも自分の声を他人が勝手に変えてしまうのはちょっと、ですね(^_^)
投稿情報: goshu | 2010-03-08 23:59
goshuさま
低音をたっぷり強調して朗々たるナレーションに唄いあげたり、高域ノイズ活かしてビビッドなスポーティーなしゃべりにしたり。時には声の出にくい風邪の時に、囁くような発声量でもちゃんと聞えるように補正してくれるのがミキサーさんです。
Yoshi9のような原音再生SPでナレーションを聴くと、荒が見えて聴けたものではありません。演奏家の方々がこのSPを好むのは
着色のない無垢な原音を聴いて、荒を見つけようとするのではないかと思います。
我が家はもっぱらYoshi9にはまっています。
http://www.timedomain.co.jp/product/product.html
投稿情報: 田丸一男 | 2010-03-09 23:33
田丸さん こんばんは
オーディオとかになるべく関わらないように(^_^)しようと思っているのですが、やっぱり興味ありますね。EclipsのDT-508をだいぶ以前に聴いたことがあって、デザインは気に入らないけど音は気に入りました。その時、このYoshii9もチェックしましたが、どちらもデザインがねぇ、まぁ機能からしてこうなるのでしょうが、それはそれとしてなんとかするのがデザインだと思うんですが・・・。ついでに(^_^)、チェロの録音のマイクは何をお使いですか?AKGのC214なんかどうでしょう
投稿情報: goshu | 2010-03-10 01:18