当然のことながら、この駒の足の小さな2つの四角い接触面だけで弦の振動を楽器に伝え響きを作るわけですから,ここが均等に全部のエネルギーを伝えないような傾いた状態では良い響きがするわけがありません。
初心者のために、書いておきますが、駒というのは、調弦を繰り返す度に(そうでなくても弦の駒に対する張力に前後で差があるので次第に前に傾く)前に倒れては起き上がったり少しづつ前に歩くもの。だから、毎日その角度をチェック、また駒が正しい位置に(楽器により異なるが,大体はF字孔の真ん中の横棒が駒の真ん中に来るようにする。本当は職人さんに見てもらってその楽器でのベストポジションを教えてもらった方が確か。私のチェロの場合は、F字孔が駒の上に来るようにするのがよい)
たまに駒がひどく前に曲がったものがあったり(それをそのまま売っている楽器屋もある),傾いたまま平気で弾いている人もいる。これはいけません。駒が曲がるし倒れる危険もあるし,第一良い音がしません。
駒は楽器の駒の立っている付近の表板と垂直に立てます。垂直と言っても駒は横から見て並行ではないから、後ろの面(エンドピン側)が表板と垂直になるようにします。弦を少し緩め、しっかりした床の上に楽器をエンドピンをしまって垂直に立て,脇を締め2本の親指で押して(残りの指でしっかり駒の下を抑えて)少しづつ傾けます。駒の手前が1mm位浮き上がるくらいでしょうか(これは弦の緩め具合によるので経験で覚えましょう)。それから、調弦をして駒が垂直に戻ることを確認します。おかしかったらやり直し。怖かったら、職人さんがやるのを見て次は真似して見ましょう。これくらいは自分でできないと困ります。日常のことですから。
昨夜、駒をビビリながらなおしたばっかりだったので、タイムリーなお話、興味深く読ませていただきました、昨日先に拝見しとけばよかった~でもとんでもない間違いがなさそうだったので安心しました。
いつもお世話になる工房の方からも「弾くたびにずれる、と思っていつも気をつけていくと良いですよ」と言われて以来一応よくみるようにはしています。
駒の傾きをちょっと直す、のを、調弦と同じくらいの気持ちで(笑)できるように、修行の日々です~
投稿情報: ひみゆ | 2010-04-26 15:56
ひゆみさん こんにちは
まぁ毎日直す事はないですが,毎日チェックだけはします。駒に小さなクセがついて段々曲がってきて直そうと思ったときは手遅れってことがないように。・・ていうか、良い音がしないと自分以外のせいにしようとしているとも言えるかも(^^;)
投稿情報: goshu | 2010-04-26 16:39