今年最初のチェロアン定期練習。初心に帰って、美しい音色とハーモニーを探求したいということで、課題曲はバッハの無伴奏組曲第6番のサラバンド、四重奏版。
いつも気がつくことだけど、音程を確認する方法が根本的に間違っている人がむやみに沢山いる。音程を確認したければ、大きな音で弾かない、弓をガチャガチャ動かさない、均一に静かに小さな音でゆっくりゆっくり弾く。耳をすまして良く音を聴くこと。正しい音程の時は響きが教えてくれる。また、絶対音感でもなければいつまでも同じ音を出し続けてどこがおかしいんだという顔をしない(正しい音を得る方法を知らないと言うこと)、この延長で、人から高いと言われたり低いと言われるとずるずると合わせてみる、なんてことは駄目というか子供が先生に調弦してもらっているのと同じ事で、意味がない。自分の耳で自分で判断できなくてはいけない。
音の取り方は、開放弦のオクターブや開放弦とのハーモニーなどが基準になる。今回も発見されたけど、純正調の響きを分かっていない人が結構いる。前にも何回も取り上げているけど、最初の調弦は、aの音こそチューナーでとるけど、後は、ペグを使って自分の耳で完全5度の響きをよく聴いて合わせるようにすること。これができなければハーモニーをきれいにならすための耳を作る事ができない。(前の「調弦は深い・続・続々」記事参照)
いつまでたっても上達しないと思っているけど、それなりに進歩はあるらしい。ただ、個人のクセはなかなか修正されない。部分的に注力してもなかなか改善出来ないことで、全体の姿勢・視点を変えればあっさりと解決のヒントが得られることもあるかもしれない。ただでさえ自信のない人は、姿勢が前屈みになり、楽譜にしがみつき、内向的に暗い音になりがち。私も昔そういう傾向にあったと思う。前にも紹介したけど、コントラバス奏者のゲーリー・カーが来日時の講演で、語ったことが大きなヒントになった。ステージに立ったら、楽譜とにらめっこではなく、客席の遠くの方をみて、そこに音を届かせようと思って顔を挙げて演奏しなさいというような主旨だったと思う。これは想像以上の効果があるといっていた。確かにその通り。その姿勢の方が体がリラックスして無用な緊張や力が抜ける。体を開き心を開かなければ、音は内にこもって、内部で濁る。時々ヨーヨーマみたいに胸を反らし腕を伸ばして弾いてみると、これも発見がある。
ベースチェンジというのは、時折必要で、楽器を変えてみるとか言うことも、そのきっかけになる事は良くある。
コメント