2日前にレッスンを受けて、本番ではすっかり音楽的になっているのが凄い。聴きに来ていた近所の方は、「涙が出るくらい感動した」と言っていた。レッスンで、dolceの歌い方について注意を受けていたそのやりとり。「ここはdolceでしょう?どうしたら良いの?」すると生徒が1つやってみる、「今、こうしたけど、それだけ?」生徒は又考えて、もう少し工夫する・・)生徒はレッスン中にみるみる改善していたが本番ではすっかり神経が行き届いて感動的な演奏になっていた。だから、ないものを教わっているのではなくて、元々あるものに自分で気がついて、それを大事に率直に表現すると言うことなのだろう。テクニックについて注意されているようで、実際は、そのように生徒を開いていく、その助けをするレッスン。
随分細かい事を注意されて緊張する、とある生徒は語っていた。普段のレッスンではそういうことはなくて、多分、ここは音楽的にどうだとかなんとかそういう「音楽的な指導」を受けているのではないだろうか。アマチュアも好むレッスンだ。けれど、大切なのは、その人にその力さえあれば、音楽を外から注入したり教えたりするのではなく、その人の中にあるものを呼び覚まし、表に出す助けをしてこそ、それぞれに違った個性や人間性が音楽になっていくのだろう。
今回演奏した何人かの演奏を聴いて、やがてプロとして演奏活動するようになったら聴きに行ってみたいと思った。同じ曲を弾いてもこれだけ演奏が違う、というのが面白い。楽しみである。こういう若い演奏家が、自由に活発に演奏を披露できるように、そういう環境があるとすばらしいのだが・・。
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