専門家の意見

昨日ニュースステーションに出ていた自民党の総裁候補のある代議士が、原発再稼働についてどう考えるかと問われて､「私は専門家じゃないから､安全規制委員会を作ってそこで専門家の意見を云々」「私は、だから、専門家じゃないから・・」と盛んに元気よく喋っていた。

何だかなぁ、である。こういう単細胞で良いのか。問題の性質を考えたら元気よく大きな声ではきはきと､私は分かんないんだから、なんて言えないはず。では、この人は何の専門なのか。議員とはどういう立場なのか。そもそも専門家というが、その専門の範囲はどこまでなのか。3.11以来色んな立場の専門家が、その専門以外の立場にばかり立って色んな意見を表明してきた､嘘をついてきた､見て見ぬ振りをしてきたのではないか。科学者はその学者としての良識に従って発言してきたか｡政治家は､報道関係者はどうか・・民主主義を目指す社会の中で自分たちの役割は何か､考えたことがあるのだろうか。専門家としてプロフェッショナルとしての、職業的誇りがあるのだろうか。

御用学者どもも、メルトダウン１つ認めなかった｡放射能は安全なレベルだ､問題ないと繰り返した。これは科学者として専門家としての意見と言うより、政治家的な発言だった。良く解釈すれば､国民に不安を与えないようにしようとか､企業活動の制限のないようにしようとか､そういう判断が働いた。そんなことは科学者の専門性以外のことだ｡謙虚に真実を述べるより､時にいっぱしの医師になり「放射能は健康に良い」とさえのたまったし、いっぱしの政治家、為政者気取りになって専門外の自分の言葉の影響力に酔っていた。専門家が専門以外のことではバカだというのはよく知られている。

それはさておき、原則は簡単だ。議員とは、民主主義的に言えば、国民の代弁者であるべきものであって､王様、権力者ではない。素人だから分かんないから､判断できないから､御用学者の先生達に判断して貰ってどうこうする、以前に、国民の不安に応えて、真実を追究する姿勢を示すべきである。具体的に個人的な重要な問題だったら､重大なことを怪しげな専門家とやらに丸投げしてすますことは出来ないはずだ。ストーカーに子供を殺された親は、子供を見殺し同然にした警察など信用していない、真実を明らかにせよと警察に迫るではないか。犯罪処理の専門家である警察に任せてその結論を待て、どうせお前には分かんないんだから､等といえるか。

国民の命と暮らしに関わる大事な問題について、わかんないと平気で自信たっぷりにいえるような､それしかいえない様な人、分からない事にでも肉薄し事実を知ろうとしないのんきな態度の人が､総理を目指す政治家である事に呆然とせざるを得ない。

勿論この議員は最初から再稼働ありきの立場に立っている。政府の決めたその趣旨に沿う学者、専門家を集めた委員会で､形だけ科学的に検討して良い結論を出してくれるものと信じている。素人だから分からない､専門家に任せろというわけだ。

Comments

[投稿情報: キノシタ]

お、すごい！ 久しぶりに過激なご意見。賛同します。
専門家が、多くの場合「専門バカ」であることを、3.11は明らかにしました。だから、市民が国会議事堂前に自主的にデモに出ているのです。
すべての原発を再稼働すれば、数年で使用済み核燃料の保管場所がなくなる。数年間使っただけのごみを10万年管理しなければならない。これだけを考えても、専門家でなくても答えは出せますよね。むしろ専門家が「科学的」という言葉で偽装した「安全」のほうが嘘です。専門家よりも素人の「子どもでもわかる理屈」の方が説得力があります。
チェロの話題、参考にして練習しています。

[投稿情報: goshu]

キノシタさん　こんにちは､「過激」ですか？それほどじゃないと思うけど･･半ば常識。しかし、いったん麻薬中毒になると更正するのは難しいですよね。原発って世界中でマフィアが暗躍している麻薬だし・・抜けるには､「人間やめますか？原発やめますか？」って言うくらい根本的な暮らしの再点検にまで戻らないと難しい事、だから、過激なことばかり言っていても駄目だと思いますが､放っておくと又洗脳されちゃうからね(^_^)