夏の終わり、N響のSさんに、3日間私のチェロ2台を弾いてもらった。ともかく出てくる音が全然違う。絶対にこんな音は出せない。Sさんはどんな楽器からも多彩で最高のパーフォーマンスを引き出す名人だ。他にこんな人は会ったことがない。
どうしたら柔らかい音が出せるのか、弓の返しをスムーズにエレガントに弾けるのかが最大の関心事。自分では気がついていないが、他人の演奏を見ているとダウンからアップへの弓の返しに神経が行き届いていないのが分かる。竹槍のように突っつくような弾き方では、アクセントもつくし音も硬くなる。つまり、小手先で弾こうとして、手首で突っつき、肘が後からついてくるような奏法・・これをへっぴり腰の竹槍奏法といおう(^_^)
そうではなくて、肩甲骨の裏側から肘へと動き、手首は後からついてくるような弾き方、脇を固め、肘も肩も下がって肘は円運動をしている・・円運動という意識が重要、直線的な動きは、突っつく動き、竹槍奏法になる。正しい動きは、卓球のドライブを打つときの上半身から肘、手の動きと同じだと思う。和船の櫓をこぐ動きとも同じ。すべからく、自然な運動というのは肘から動く。で、実際には肘だけが動くのではなく上半身全体がそれをサポートしている。体の小さな日本の投手が全身を使って投球するのと同じで、体の小さな非力な人は、全身でサポートするように心がけないと上手くは出来ないと思う。慣れてきたら段々余計な動きは減らせば良いが、最初のうちは少し大げさに練習した方が良い、と思って、やってみると、なんだか良さそうだ(^_^) ビデオで見るSさんの動きが理解できる。
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