4日ほど前から風邪をひいて体調悪いので、今日はホールで気持ちよく練習。昨日より音が良くなっているので、体調も戻ってきたみたい。「今日も元気だ、タバコがうまい」というキャッチが昔あったけど、音は健康のバロメーター・・??(タバコはどっちにしろ不健康だが)
バッハの無伴奏の第1番からやることにするが、どうしても3番のプレリュードとブーレは弾きたくなる。ブーレは、昔の鈴木の教本にあったので、昔からやってるけど、最近まで、そんなに良いとは思っていなかった。さらっと弾いてた。東関東大震災のあと、山中湖の湖畔のカフェで、たまたま倉田先生とチェロ仲間とお茶していたときふと思い立たれチェロを弾かれた。そのとき弾いた1曲がこのブーレ、かつてないほど感動的な演奏だった。被災者への思いを込めて弾いた、と。コンサートなどとは違って、そのときの気分で自由に弾かれる場合、曲の様々な面が表れる。かつて、恩師の哲学科の教授が、論文とは別に、小さな雑誌に短文を書くことがあるか、後から読んで、その方が(命を削るようにして書かれた論文より)、自分らしさが出ている場合がある、と言っていたが、肩の力を抜いて、評価を気にせず、思うがまま表現したものが意外と良かったりすることもあるのだろう。
楽譜棚から古い鈴木の教本(佐藤チェロスクール)の第5巻、これにブーレが載っているので出して弾いてみた。途中すっかり運指とか違ってる(^^;) ついでに、ほかに載っている、サンマルティーニのソナタとかポッパーのガボットとか、アレグロアッパショナートとか弾いてみる、30数年ぶりだけど、一発でほぼ弾けた。最近やった曲は弾き終わる端から忘れるが(今の方がよほど沢山練習してるのに)、昔の曲は未だによく覚えているものだ。それに昔より遙かに音が良いし、曲らしくなってるし、ポジションの取り方もしっかりしてるなと我ながら感心(自己満足)。そうか、少しは昔より進歩しているんだ、と言うことが古い教本をやると分かる。励みになるから、たまには昔の本をやるのもいいな。
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