私は障子が好きだ。カーテンとかブラインドとか、だらしない感じだしあまり機能的とも思えない。60年近く実家で使っていた襖や障子、戸板など、取り壊しの際預かって、ずっと保管してきたが、自宅を改造するときに是非使おうと、とりあえず、2枚、出してきてみた。ちょうど、2つの窓にサイズがぴたりとはまる。たった2枚をおいてみるだけで、味気ない2×4の家の部屋の雰囲気ががらっと変わる。
内装を改装するポイントは、床を厚さ3cmの杉板にし、壁を漆喰で塗るということだが、ついでに、食器棚を作り付けにする予定で、その扉には竹のすだれ状の夏用襖を使おうかと思っている。先日、大工さんに採寸のために色々と見せたら、びっくりしていた。これは欲しい人が沢山いるんじゃないか、と言うことだが、言われてみれば、いまどき、そもそも材がなかなかないらしいし、建具職人がいなくなって、細かい細工のできる人がいないらしい。
だから、なんだか世の中豊かになったと思っているけど、生活の質は昔の方が豊だったような気がする。それなのに、いまだに「成長戦略」とか言ってるのが、おかしい。
今から、20年近くまえ、経団連が提言していたのは、これからは、高度成長ではなく、低成長にあわせた企業理念が必要だ、労働の意味も変わるのだ、労働は賃金のためでなく自己実現が大切になり、会社はそれを支える役割を持つと言うような、世の中全体の見直しが必要だ・・「成長から成熟へ」と言うことだった。やっとまともな社会に日本は向かうのかと期待したが、そのあと、市場経済至上主義、IT 時代になって、思いつきにすぎなかったらしい提言はどこかに消えた
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