3年ぶりの京都。今回は、南丹波市の町おこしで考案された「なんたん暖炉」を見るのが第1目的。夕方、定宿としている二条城前「京都国際ホテル」に到着。やがて夕暮れ、窓の外の景色。
残念ながら、このホテル今年限りで53年の歴史に幕を閉じる。旧福井藩邸の名残である風情ある日本庭園ごと取り壊しになるとか・・・。その前にもう1度秋にも来たいと思う。
昔話・・高校生の頃、図書館で「奈良の仏像」という小さな写真集を何となく見ていて、「飛鳥大仏」を見たとたん、無性に本物を見たくなって、学校をサボって見に行ったのが古美術の世界への始まり。それから、毎年2回、8年間、奈良・京都を見て回った。大学の頃は、古美術研究会に所属していたので、仏像や庭は様々なものを見た。桂離宮や孤篷庵など拝観許可の必要な庭などもくまなく見て歩いた。
京都駅は今はすっかり模様替えしてしまったが、それでも駅の外に出ると、昔のことを思い出す。高校の頃はお金がないから、夜9:45発の「瀬戸2号」という列車に乗って、のろのろとやってくる。泊まるところは奈良博物館横の日吉館という古美術愛好家の知らぬものはない名物旅館。予約などと言うしゃれた事は気がつかない高校生だから、いつも飛び込み、いつも満員で、でも、「何処の学生さん?」「・・です」、「じゃ、荷物おいて勉強に行ってらっしゃい」と言われ、夜戻ってくると、おばさんとお手伝いのお姉さんは、土間の上の廊下の隅に布団を敷きそこに寝て、自分たちの居間を開放してくれるのだった。夕食をまともに食べるお金はないので、夜、もちいどの通りの突き当たりにある「三好野」という大衆食堂で、大盛りの素うどん「びっくりうどん」25円でおなかを膨らませ、それからたこ焼きを食べながら、猿沢の池の周りをうろうろしたものだ。家のどこかから、ピアノで月光を練習しているのが聞こえたりしたのを懐かしく今でも思い出す。昼はコッペパン1つでうろうろと歩き回った。
あるときは、京都駅まえの公衆電話ボックスの中で寝ようと、昼間下見をしておいて、夜新聞紙と少量のワインを持っていざ泊まろうと思ったら、なんと言うことかもう先約がいたりして、仕方ないから、駅前の深夜喫茶で朝5時閉店までうつらうつら、5時になったら京都駅構内のベンチに移動・・・なんてこともあった。
大学生になってアルバイトで多少のお小遣いが持てるようになってからは、野宿同然のことはしなくなったし、昼は豪華にスパゲティを食べたりしてリッチな?旅行をするようになった。そうなってからの旅行の印象は薄くなった。やっぱり、お金がない不自由なときのことはあらゆる事が想い出だ。
大学を出てからしばらくして北海道に移住してそれからずっと京都には来ていなかった。数年前高校時代の友人夫婦と久しぶりに京都に来た。その時も泊まりはこのホテル。その時は往復新幹線で、夫婦で8万円くらい交通費がかかってばかばかしいので、今回は車だ。丹波まで片道520Km、7時間近かったが、高速代10600円位。ガソリン34リットル 5700円位、断然安い。
今日は宇治平等院、福寿園をみてから 詩仙堂に行く予定。今日も天気は良い。
コメント