今日はホテルでゆっくり旧福井藩邸の名残の庭を見ながら朝食を楽しんだあと、チェックアウトして、今回の旅行の第2目的である「閑臥庵(かんがあん)」でお昼の普茶料理をいただく予定。知人の紹介だが、この予約を取ってから旅程を決めるほど、期待している、京通ぞっこんの場所である。
3つ位しかない個室に案内された途端その完璧さに息をのむ。次々と運ばれる料理も、どれも美しく手の込んだ精進料理で、全部写真に撮ったが、公開するのは控えることにする。
ところで、到着してパンフレットを見てから知ったが、この寺はそもそも後水尾法王によって建立されたものだという。本堂には縁の品が陳列してあった。後水尾法王と言えば、徳川時代のごく初期、この法王を招くために八条宮智仁親王によって作られた別荘が日本美の極致と言われるあの桂離宮である。桂離宮については前にも書いたので触れないが、桂離宮は後水尾法王を喜ばせたい一心で作られたおもてなしの極致、最高の日本文化の粋であり、それは勿論後水尾法王がそれが分かる当代一の文化人であったということだろう。この閑臥庵にもその流れを感じる。
次は、金閣寺。成金趣味の金とは違って、これは周りの景色に溶け込んで単純に美しい。美しいから金を使っただけという感じがする。
もう、このあとは見るものは何もない。
今日の泊まりは、京町屋。町屋宿泊システムには色々あるが、夫婦2人という最小単位では大きなものはいらない。選んだのは、「懐古庵」というところ。
受付の民家でおもてなしの心に溢れた女性から説明を受け今日は部屋が空いているので気に入ったのを選んでくださいとのことで何軒か案内してくれた。これまた何でもないようなただの民家の入り口・・かと思いきや木戸の向こうは路地になっていて、小さな家が並んでいる。
どれも昔ながらのサイズで小さくておもしろいが、今日は、改装し立てで普通の町屋を吹き抜けにして2階をベッドルームにした和風モダンな家を借りることにした。
広々としていて快適である。冷凍冷蔵庫に電子レンジ、湯沸かしポットに食器、無線LANなど一揃いそろっていて長期滞在でもいけそう。1軒借り切って1泊16000円。安い。利用の4割は外国人だとか。そもそもはこのうちの1軒に3年間住んでいたドイツ人が帰国するときに、ここはどうしてもこのまま残して置いて欲しいと懇願され、それがなければこの仕事はしなかった、と言うことだった。
部屋を確認したあと、地下鉄で京都駅に。デパチカで、夕方割引のお弁当などを買い込み、今日の夕食にする。
明日は、四条にあるイノダコーヒー本店で朝食をとり、すぐ近くの和菓子屋でお菓子を買って、今回の京都旅行はおしまい。
コメント