前回の「アップボー」という記事を読み返してみると、ちょっと変かなと思う記述もある、何処がと言うわけでもないけれど、うまくかけていない感じもする(^^;) 他にもいろいろな人がいろいろなヒントを提案していることだろう。人により曲により先生により、勘所は色々あると思う。どれが正しく絶対であると言うことはないかもしれない。
けれど、一番大事なことは、「良い音」というのを、自分で実際に出してみることだ。一瞬であっても、曲の中の一部だけでも良い。ともかく、あ、これだ、と言う音を出してみる。そうしたら、そのできたことを再現しようといつも心がける。そして、だんだん本当にいつも良い音が出せるようになっていく。だから、弓の持ち方も、正しく持つと言うのではなくて、持つのではなく乗せてみる感じとか、1本づつ離してみたり工夫してみる、運が良ければ発見がある。良い音に出会うまで、狙ってみる、と言うことが日常的に大切だ。
左指はゆっくりと、だんだん弾けるように練習すれば良いのだろうが、右手は、そう直線的には進まない。できていないものはできない、できたものをいつもできるように練習するのではないだろうか。訓練するのは耳だと思う。
いくら、いわれても、理屈じゃないのだから、自分で良い音が出せなければ何も進まない。その最初のきっかけになれば良いと思う。でもみていると、良い音が出てもそれに気がつかない人も多い。人にそれが良い音だ、と言われて、そうなんですか?と怪訝な顔をする姿を良く目にする。もどかしい。ビブラートでもそう。だから、音をよく聴くことが大事なのだろうと思う。誰かプロの音を頭に描いて、だめだだめと思うのではなく、自分の音が前よりちょっといいぞ、何か気持ちよいぞ、ということで良いから、自分の変化にきがつかないと・・。
完全5度の音程がぴたりと合って気持ちよく響く、と言うことも分からない人がいる。調弦をいつもチューナーの針やランプなど視覚に頼ってやっていると耳は全然鍛えられない。逆に言うと少なくとも毎日行う調弦は耳の最良の訓練の機会だ。澄んで明るく良く響く音、この感覚を覚えないとチェロの練習は始まらないのではないだろうか。
それに、それに、邪道だと言われようが、楽器の調整や手入れは大事なことだと思う。上手な人はどんな楽器からでも良い音を弾き出すが、私のようなへたっぴは楽器や弓に助けてもらわないとなかなか上達できない気がする。すくなくとも多くの人の楽器は上達の足を引っ張っているように思えてならない(^_^) 音が鳴るというのは、物理的な問題で、松ヤニがついていなければ音はしないし、どのくらい塗るのかその日の湿度によっても違うはずだし、へなへなの弓できっちりした発音をしろと言っても、ロングトーンをしっかり弾けと言っても相当辛いはずだ。高い楽器でなくても良いが、調整した楽器は必要だ。でも、そんなこと考えない人が圧倒的、あんたもすきねとか思われるだけだろう・・いたしかたない・・。
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