夜の反省会?で隣り合わせたKちゃんに海外経験を聞いたら、ドヴォルザークの協奏曲のレッスンを受けにチェコに行ったら、先生が、生家から、生まれ故郷の景色から、ドヴォルザークの生活の分かる所をすべて案内して見せてくれたとのこと。それは感動したとのこと。
私の経験でも、9年前、30年来の夢だったカザルスの故郷や、亡命先フランスのプラドなど見て回った巡礼の旅は感慨深かった。
その後、岩手旅行をして宮沢賢治の足跡を訪ねて歩いたのも、とても良かった。岩手の場合は、行く先々で話を聞いたおじいさんやおばあさん達が、賢治に会ったことも無いのに、まるで親戚かごく親しい人のように賢治のことを語るのが印象的だった。まだ、賢治が生きていてそばで生活しているかのようなその土地の空気感があった。
カザルスの生まれ育ったベンドレルの町は、田舎の小さな町で、生家のすぐ横には広場がありお父さんの働いていた教会もすぐ近くだ。カザルスの作曲したチェロアンサンブル「サルダーナ」は、幼少期の体験をそのまま描いた曲だと思う。お祭りの日、すぐ近くの広場から賑やかな音楽、雑踏、教会からは歌声も聞こえてきて、そのうち、そこかしこで輪になってサラダーナが踊られる。盛り上がってくると、「人間の塔」が演じられ祭りは最高潮・・わくわくしながらその広場にいた少年パウの姿が思い浮かぶ。その広場には、今、カザルスがチェロを演奏する銅像が建っている。
物見遊山の観光旅行も楽しいが、何かを求めて歩く旅というのは、また良いものだし、そういう体験ができるかどうかは意図してできることではないだろうけど、幸せなことだろうと思う。
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