昨日弦楽オケの指揮者と数人で練習のあと昼食を食べた。そこで、聞いた話。
楽器はたまに少し弦を緩めて2,3時間おいてやると良く鳴るようになる。試してみれば歴然。弓の毛は演奏後必ず緩めるが,楽器は長い間強い張力で圧迫し続ける(大体、弦が駒を通して楽器にかける圧力は80Kg位らしい)。これをたまに開放してやることで,良く鳴るようになる,ということ。
計ってみれば分かるが、駒は,弦を張る時と張らない時で足の間隔が1cm位広がる。職人は勿論、広がるのを計算して駒を作るが実際にどれほど広がるかはやってみないと分からない。だから、新しい駒を作った場合、時間経過に沿って細かな調整をする必要がある。(これに限らず楽器は生き物だから,時々信頼できる職人に調整をしてもらわなくてはいけない,みてもらったことがないなんて人は大××ものだ)。ともかくも、随分無理をさせているものだ。たまには休ませてやらないと。
所で、楽器の音が良くなったとかどうかとか、こんな事はほんのわずかの,それも弾いている本人しか分からない位の差であると思う。ブラインドテストで,安い楽器とストラドの違いが分からない,というのも大いにあり得ることだ,が、しかし、弾いている本人には歴然とした差があるものだ。その差が,演奏のパーフォーマンスに大きな影響を与える。こういうことは何にでも言えることだが。
しかし、逆に本人には分からないのに、遠くで聞いている人には分かる差というのもあるから、事は複雑だ。悩ましい問題。
おはようございます。いつも読ませてもらっています。
駒の足が1cmも広がるというのは知りませんでした。言われれば、そうだろうなあと思いますが。
だとすれば、ますます、シロートは弦をむやみに緩めるべきではないでしょうね。緩めた後、きちんともとに戻しながら弦を張る技術がシロートにはありません。信頼できる職人に頼むべきでしょう。
後半の、演奏者の感じる部分、聞く人が感じる部分、の話は、本当ですねえ。むずかしいものです。
投稿情報: せろふえ | 2015-02-21 08:44
せろふえさん こんにちは
弦を緩めるといっても2度位(レをドに)下げるだけなので,それほど心配はいりません。それとは別に弦を交換したり,駒の傾斜やねじれをチェックして修正するのは毎日のメンテナンスです。車に乗る人がタイヤがパンクしていないか,ミラーの位置は良いかチェックするのと同じで。これは、シロートであっても出来なくては駄目だと思います。どんな風にやるのかは、職人さんのやることをみていれば分かります。それと、駒の正しい位置は印を付けるかメジャーで測って記録しておくと良いと思います。(私はいつもメジャーを持っています)
投稿情報: goshu | 2015-02-21 08:58
さっそく、ありがとうございます。
なるほど2度くらいですか。それで納得できました。そうかも知れません。
こまめにチェックしているわけではありませんが、メジャー、持っています。ノギス(指板から弦までの高さを測る)も。
投稿情報: せろふえ | 2015-02-21 10:24