寒さも緩み、日もだいぶ長くなって来た。すこしづつだった梅が急速に花の数を増やした。沈丁花はつぼみは膨らんでいるけどまだ開かない。サザンカは終わりかけている。近くのお寺では福寿草や水仙が見頃だ。毎朝手を合わせている日の出の位置がだいぶ東に移動してきた。春が近いと実感する。
紅梅は、実家を解体して更地にしたとき庭石や灯籠などと共に持ってきたものだ。石に挟まって灯籠を覆っていたこの梅を無理矢理掘り起こして殆ど根のない状態で、生き延びるかどうか心配だったが次第に花の数を増やして春を迎えるようになった。
花の命は短くて・・と歌われるが、実際は、何度も何度も再生を繰り返して人間より長生きする。日本中に巨木と言われる木が沢山あるが、樹齢500年ともなれば信仰の対象になり地図にも記されていたりする。昔、それを調べているお客さんの作家に協力して一緒に身延山の巨木巡りをしたことがあるが、興味がなければ目にもとめない立派な木が沢山あるのだ。どこかに旅行したらその土地の巨木を訪ねてみるのも悪くない。
ともかく、こうした木々を見ていると人の命もつないで行くものだ、と感じる。そのよすがとなるものをいたずらに捨てたりするものではない。
東風吹かば 匂いおこせよ梅の花 主なしとて 春な忘れそ
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