久しぶりに上野文化会館小ホールに来た。上野駅の公園口もすっかり変わって広くなり駅ナカに様々な店舗が入っている。この「駅ナカ」という発想は若い女性社員だったようだが普通ならその功績を認められて今頃は部長クラスになっているのだろうか。それはどうでもよいが、さて、このホールは、かなり好きなホールだ。何しろホワイエが広くて明るくてすばらしい。これに並ぶのは京都のコンサートホールかな。近頃の木部の多いそして見事なシャンデリアやオルガンを配した豪華な感じのホールも悪くはないが、シンプルでユニークな洞窟のようなこんなホールも音楽に集中できる。気持ちの良いホールだ。
音楽生活50周年記念の崎元讓さんのハーモニカコンサート。是非にとご招待を受けていたのでお祝いを持って出かけた。ちょうど運良く良い席が空いていた。何故か後ろや横にはご家族や古くからのスタッフが陣取っていた。通路前なので、よく見知った方々が次々と挨拶される。
崎元先生は夏に2泊2回のハーモニカセミナーをこの30年続けてペンションで開催されている。これまで沢山の演奏家や先生と接してきたが、何より人柄が色々な所に表れる。生徒の質もスタッフの働きも全て先生の人柄による。ある年は、ちょうど大きな台風がやってきて、道路は寸断され鉄道もあちこちで止まっていたが、皆で連絡を取り合って全国各地から全員が山中湖に集まった。熱意の表れと言うほかはない。
30年も続けているとその間に亡くなる生徒さんもいる。その生徒さんの葬儀に行くと、必ず、生前の写真が飾ってあり、殆どは山中湖でのセミナーの様子だと言うことだ。そんなにも楽しみにして大切にしているのだと伺った。私も歳なので、そろそろ廃業をとかいうと、「勝手にやめるわけにはいきませんからね」と釘を刺され、毎年、お互いに頑張りましょう!がお別れの挨拶だ。
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