改装のついでにオーディオ(だいぶ前から死語?)のセッティングを色々いじっているうち、LPレコード資産を生かすべく、iMacを置いていた場所にプレイヤーとQUADのアンプを復活させた。スピーカーは、昔のように1本で、モノラルで聴くことにした。
しばらくLPにはまりそうだ。昔、チェロの手ほどきを受けた佐藤良雄先生のレッスン室には、QUADの真空管アンプとティアックのオープンリールデッキ、そしてグッドマンのスピーカーが1台部屋の隅に置いてあった。どうしてステレオにしないのですか?と尋ねたら、ステレオで聴きたい演奏がない、との答え。 そして、レコードはどれも音が硬い、だから、一旦テープに録音してから聴くとホンモノに近い、とのこと。カザルスの音はレコードよりもっと柔らかくニュアンスに富んでいたとも。それにしても、原音再生とか言うが、そんなにホンモノの音が聴きたければ自分で演奏すれば良い、と。(^^;) なるほどと思った私は、友人自作のモノラルアンプをもらい、スピーカーはP610Bと言うパイオニアの16cm1本にして菓子箱に放り込んで(単にお金がなかった(^^;))みた。聴くのはもっぱらフルトヴェングラーやブラームスの室内楽だから、それでちょうど良かった。今はステレオだが、本当はモノラルで良いと思っている。が、ステレオの利点は昔と違って音が豊かで柔らかいと言うこと。しかし、2CHでも5+1CHでも同じ事で、集中できないのが具合が悪い。だから、部屋の隅に1本置いて、全体が鳴るようにするのが一番かと・・。
ところで、CDやネットオーディオの時代になって久しいが最近世界中でLPだのカセットだのが一部でブームのようだ。便利で手軽なのが良いはずなのに、そうでもないらしい。それはともかく、LPをモノラルで聴くと、昔を思い出す。音楽は素晴らしい、と思っていた(というか音楽以外に素晴らしいものを殆ど知らなかった)時代だ。CDになってからどんな演奏もBGMのように聴くようになってしまったのか、感激が薄い。しかし、逆に言うと、そんな溢れるようなお手軽な音楽の中で、刮目すべき演奏に出会うことがある。佐藤先生の言う「魂を奪われる」ような演奏だ。
その1枚を紹介しておこう。「夢のあとに 倉田澄子 チェロ愛奏曲集」fontec 1996
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