山中湖も今年は暑い(ただし日中だけ)、考えてみれば、昔の東京の気候だ。60年も前のこと、私が小学生の頃、東京も夏は暑かった。でも、暑いと言っても、28度とかで、30度を超えるのはニュースになるくらいの事で、30度を超えると道路のアスファルトが溶けて足にべたついたものだ。今のアスファルトは、そんな程度では溶けないだろう。夏というのは暑いのが当たり前で、日中は汗をかいて、だから、氷もおいしいし、冷たいスイカも、団扇も風鈴も、金だらいの水浴も、そういうものが風物詩。気持ちよい汗をかいていた。それに夜には収まって、朝は暑い感じではなかった。だから、「午前中の涼しいうちに勉強しなさい」、と言われたものだ。夏は、健康で元気になれる季節だったかも。
東京が暑くなったのは、半分は人災だ。何しろ無計画に高層ビルを建てて、南からの風を遮断してしまった。普通の家なら採光、通風を第一に考えるのに、そういう都市計画がなかった。そこへ、東京一極集中とかで、どんどん人口が増える。こんな所で昔のような健康な生活は無理だ。と言っても仕方ないから、どこかで昔のように健康で元気になれる時間と場所を作りたいものだ。その昔、夏ともなれば、子供達は親戚の家に泊まりに行ったり、田舎の知り合いの家に遊びに行ったりしていた。親は仕事を離れられないとしても、昔のように子供だけでもどこかに預けることは出来ないのだろうか。ま、親戚も皆東京に集まってしまってはそれもできないか。近頃のあちこちの災害を見ても、思うのは、人が暮らせる場所は2軒必要だ、と言うこと。昔は、実家というものがあった。いつか、何かの時に帰れる場所、行ける場所を持つことも必要かも。いきなりは無理としても長期計画としてそういうことも頭のどこかで考えておいた方が良いかも、東京にもいつ大きな災害が来るか分からない。日本は昔から災害が多かった。だから、それに備えて、家を2軒川のそばの低地と山の中とに用意していた地方もある。出来ないというのは簡単だが、昔は出来た。核家族化が進んで、老人達は田舎や地方や都市近郊の一戸建てでは暮らせなくなって、大きな町の駅前マンションや施設に引っ越すようになった。いざというとき、行き場がない。
近頃、防災と言うことがよく言われるが、堤防を高く作ってその下に暮らそうという防災ではなく、自然災害は起きるのが当たり前だから、その前のこと、あとのことを考えて人災を防ぐのが大切だ。老人も若者も一極集中するのは賢くない。老人も、都会の便利な所で長生きするより、多少大変でも何とか頑張って、家を守って生活できるようにしたい、その分で寿命が少し縮んでも、その間いざというときの場所を用意してあげられたら良いではないか・・・とつらつら考える。皆がそう考えたら新しいシステムや知恵も生まれるだろう。
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