秋の特別拝観で、東求堂など内部が公開されるとのことで、今回の大目的の1つ。書院造りの原型となった四畳半の部屋、同仁斎、も,ただ襖を開けて公開するのかと思っていたらそうではなく、部屋の中まで入ってじっくり眺めることが出来た。1時間に1回、30分ほど,案内人がついて細かく内部の装飾などについて説明してくれた。
実は銀閣寺は初めて。写真などで見ると無意味ないたずらとしか思えない白砂の盛ったものが特徴的で、それだけで見る気がしなかった。今回は、その他の建物や池大雅や与謝蕪村他によって描かれたふすま絵,庭の美しさに関心した。庭はとにかく良く出来ている。京都には優れた回遊式庭園が沢山あるが、ここは雅な心が横溢した出色の出来,と思う。足利義政は苔で有名な西芳寺が好きだったとのこと。50で出家して政治の世界から足を洗って文化の世界にひたっていたと言うことがよく分かる,良い趣味の庭と建物だ。深い山を思わせる立体感、美しい苔が一面に、そして一番奥にも西芳寺の特徴である岩組も作られている。西芳寺の岩組は,荒々しく,強い印象を与えるもので、木や水だけでなく石が庭の大事なアクセントになったことで後の枯山水の庭の元とも考えられる。銀閣寺の岩組は荒々しさはなく,自然と調和して収まっている。
それにしてもこれだけの広さの苔を管理するのはよほど大変なことだと思う。我が家の狭い苔庭でも大変なのだから,よく分かる。
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