恐れ多くも恥ずかしくも私はカザルスの孫弟子だ(だからなんだ)。チェロを習い始めた頃、エチュードの裏表紙にも部屋の壁にも飾って、見本としていた写真。久しぶりに引っ張り出して本棚の横に飾った。今気が付くと、右の肩が前に出ている、と言うことは肩甲骨が開いていると言うことか、今初めて気が付いた。昔は、左手の形と、左足の膝の位置しか目が行っていなかった。この写真は、亡き師、佐藤良雄先生が、プラドのカザルスの部屋で演奏姿勢の見本として撮影したものだ。考えてみると、この時のカザルスの年齢にほぼ同じになってきた(だからどうした)。
佐藤先生は、カザルスのように歳をとってもチェロが立派に弾けるのはその姿勢が正しいからだ。やたらエンドピンを伸ばしたり格好良くするより無理のない自然で合理的な姿勢が大切だ、とおっしゃっていた。
ちなみに、棚の左の小さな額に入れているのは、大学時代の恩師、川原栄峰先生が卒業時に書いてくださった色紙「空手還郷」(道元)である。いつまでたってもその意味がしかと分かっていないが、死ぬまでに分からなくても黙っていてもその言葉を実現するであろう。?
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