又、ピアノが聴きたくなって、内田光子さんのモーツァルトにしようか、どうしようかと迷うと、まずとりあえず、この原口摩純さんのViennaPianoのブラームスを選ぶ。
何しろピアノはベーゼンドルファー・インペリアル、録音がまたすごい。
この音を再生するのに、ラジカセ、CDコンポというわけにはさすがにいかない、と思うのだが、今の時代オーディオマニアは数少ないわけだし。でもそんなマニアでなくてもそこそこの良い音で聴かなければつまらない、良い音にも色々基準があるわけだけれど、音楽の基本は低音の響き。このインペリアルのどすんと言う低音、深々と柔らかいこういう響きは聴いているだけで、音楽以前に満足。小さなスピーカーで重低音が鳴るとかいってるのもあるけど、経験的にそんなことは所詮無理。低音は鳴っていないかのように鳴っているのでなければいけないので、ほら、鳴ってるだろうと言うようなことで自慢していること自体が駄目。深い柔らかい余韻・・これはある程度大きなスピーカーと箱がいる。
曲と演奏が良ければ録音(音)なんて何でも良いと思っている時代もあったが、作曲家は決してそんなことは思っていなかっただろう、特にブラームスは、ピアノだけを友達として、その音色の微細な変化を心から慈しんだことだろう。・・と言う風に感じさせる演奏であり録音である。
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