楽しいチェロの会も終わりました。さて、老人の思い出話になりますが・・30そこそこの頃、ある1人暮らしの老ビオラ弾きの浜田山のお宅でカルテットの会が月1回あり、私も親戚のバイオリン教師に誘われてお邪魔していました。その時の体験がずっと残っています。
これまで色々な場面やメンバーで音楽を楽しんできましたが、歳をとって、そういう体験を少しでもお裾分けしたいと思っています。「我が母の教えたまいし歌」のように。
ピアノの人は一生孤独に終わることも多いようですが(^_^)、チェロは幸い色んな音楽ジャンルで出番があり、ソロよりもアンサンブルの中で楽しみを広げられる楽器です。カルテットにしろ弦楽合奏にしろ、基本は同じなので、チェロアンサンブルで鍛えておけば、どこに行っても通用する大事なメンバーになり得るでしょう。大事なのは、ただ員数合わせでなくこの人に是非チェロを担当してもらいたいと言われるようになること。
アマチュアの初級段階だとともかく自分勝手にチェロをガチャガチャ子供のように大きな音で弾いていたら楽しいというレベルがあり、それがずっと続く人もいるし、オケではそれでも貴重なメンバーになり得るでしょうが、室内楽には無用です。他の人の音色や息づかいに注意しながら心のこもった音の出せる人、しっかりした基礎とすてきな音色、音楽性、人間性を兼ね備える事が目標。もっと上手な人が見つかったらあなたもういらない、といわれないように精進することですね(^^;)
これまで様々な人と合奏しましたが、ある程度弾けたとして一番大事なのは音色だと思います。といっても特別な美音である必要はなく、少なくともナマの音を出さない、チェロらしいというか少なくとも楽器の音を出すこと。歌で言えば、歌う時は地声でなく「歌声」で歌う、決して怒鳴ったり世間話でガハハと笑うようなおばさんのような声を出さないこと。廊下をどたどた歩かず静かに歩けるようになるには女性では23歳以上の年季が必要のようですが、いくら歳をとっても静かに歩けない大人も結構います。楽器の演奏もそういうこと、ソリストを目指す人は(カンケイナイから)どうでも良いですがアンサンブルでは必須です。大人なのだから大人の歩き方、喋り方、コントロールされた音、演奏の仕方をしましょう。(とはいえ、これも難しい事です。が、そのことを知っていて注意しなければ改善もしません。その点が重要。出来なくて開き直るかどうかは誠意の問題)
ただうまい下手ではなく、そこそこ弾けさえすればあとは一緒にアンサンブルして、音色的に、音楽的に、人間的に楽しいかどうかという問題です。もっともそういう風に努力しても実るかどうかは分かりません(^^;)。センスの問題もありますし・・。でも、努力しなければ一生チャンスは巡ってこないと思います。まだまだ学ぶことが多いですが、助けて指導して下さる方も沢山いるし、夢は大きく持ちましょう。私も人に要求する前に自分が全然駄目ですから、歳もとったけどまだまだ勉強したいと思います。
チェロアンサンブルは同質集団で楽しいけれど終着点ではありません。音楽機会はもっと広く深いのですから、皆様、次にお会いする時まで、更に進化されますよう・・
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