今日はNHK TVで横綱・白鵬の強さの秘密についてスポーツ科学に基づいた分析をやっていた。これがなかなか面白い。ついチェロの演奏について連想してしまう。
一番面白かったのは、筋肉の動き、瞬発力について。脳の指令をどれだけ速く筋肉が反応するか、下位の相撲取りは、たとえば立ち上がる時にいったん下がってから立ち上がるが、白鵬はその逆の動き無しにすっと立ち上がる。事前の動きがなく投げを打つから一瞬に決まる。これはまさに弓の発音の仕方と同じ。どうして初級者は発音が悪いのか、音の立ち上げが遅いのか、まさに逆の動き、余計な動きが入ってから音を出しているからだ。
弾き始めるまでに準備がされているかどうか。準備とは前に書いたように「弦を噛んでいる状態」、弾くとは、その弦の緊張状態を開放する動き(原点はピッチカート奏法)であって、よく下手な人がやるように弓を空中に上げてから勢いを付けて弦に下ろすような弾き方とは違う。空中に上げないまでも少し上に上げるとか気持ちの中で上から下ろす、ちょっと戻してから弾き始める、ひっかける、ぶつけると言うような意識があり、わずかにそう言う動きが弓にあるのではないか。うまくない人の弾き方を見ていると思い当たる。
弾き始めるまでに準備がされているかどうか。準備とは前に書いたように「弦を噛んでいる状態」、弾くとは、その弦の緊張状態を開放する動き(原点はピッチカート奏法)であって、よく下手な人がやるように弓を空中に上げてから勢いを付けて弦に下ろすような弾き方とは違う。空中に上げないまでも少し上に上げるとか気持ちの中で上から下ろす、ちょっと戻してから弾き始める、ひっかける、ぶつけると言うような意識があり、わずかにそう言う動きが弓にあるのではないか。うまくない人の弾き方を見ていると思い当たる。
それから、白鵬の体は相手の力や動きを緩和するように動く、相手の力を10とすればそれを6とか7にしてしまう体の使い方をしている。実際に立ち会ってぶつかった時にも驚くほど上半身の筋肉は使っていない。逆に太ももの筋肉は使っている、つまりしっかりした下半身に支えられて上半身は力を抜いて相手の力をかわしている。これもボーイングにも当てはめられるかも知れない。弦が発音する時とは、毛と弦との摩擦抵抗の飽和点から解放される時だが、開放されたら抵抗はなるべく減らす動きがないといけない。できる時とそうでない時があるけれど、イメージとしては肩甲骨の裏側の筋肉を使うが、肩、肘、手首、指は楽にして大きな動きの中で細かな関節は柔らかく動くに任せると言うようなボーイング・・そうやって弦や楽器の抵抗をそらしてしまう。本当に大事な所をうまく動かすには、ただ、力を抜けとか柔らかく、と注意するのでなく、力を入れるところ注意するところを遠くに持って行くという手も有効かも。
今度NHK の「アインシュタインの眼」でもボーイングを取り上げて欲しいなぁ。
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