いったいこれまでにいくつ駒を造り替えたのだろう。右端のが購入当初付いていた駒。その左は冬になったら弦高が低くなりすぎたので、冬用に新たに作ってもらったもの。このあと、2回作り直し、左端のは、2年ほど前からつい最近まで使っていたもの。つまり現在のは6個目。
この他に、もう2つあった。つい最近まで使っていたものは、薄く削ってありとても発音が良く音もふんわりしていた。現在調整中のの厚みは現在標準的なものと以前のものとの中間くらい。削るのはここでストップして、魂柱の位置を微妙に移動して実験中。
低音は芯のある音になっている、バスバーの真上に来るように駒がセットされたせいか。けれど高音は、もうちょっと楽に発音して欲しい気がする。輝かしいというより柔らかく、大きな音より滋味溢れる音、そしてしっかりした張りのある伸びのある・・もう少し文学的に?言うと「魂の故郷へのノスタルジーの感じられる音」というのが私の希望。それこそがチェロという楽器の最も素晴らしい音の特徴だと思っています。
調整というのはこうあって欲しいという希望がないと進まない。値段のことなんか関係なく、そりゃ演奏の力でしょうなどと言うもっともな意見は無視して(^_^)、希望は希望でどんどん言うことにしましょう。 どうやってもあっけらかんと明るく鳴ってしまう楽器より、ちゃんと考えて意図をもって演奏した時にそれに応えてくれるような楽器や弦が好き。イタリアオペラより、ドイツリートの方が好き。
低音は芯のある音になっている、バスバーの真上に来るように駒がセットされたせいか。けれど高音は、もうちょっと楽に発音して欲しい気がする。輝かしいというより柔らかく、大きな音より滋味溢れる音、そしてしっかりした張りのある伸びのある・・もう少し文学的に?言うと「魂の故郷へのノスタルジーの感じられる音」というのが私の希望。それこそがチェロという楽器の最も素晴らしい音の特徴だと思っています。
調整というのはこうあって欲しいという希望がないと進まない。値段のことなんか関係なく、そりゃ演奏の力でしょうなどと言うもっともな意見は無視して(^_^)、希望は希望でどんどん言うことにしましょう。 どうやってもあっけらかんと明るく鳴ってしまう楽器より、ちゃんと考えて意図をもって演奏した時にそれに応えてくれるような楽器や弦が好き。イタリアオペラより、ドイツリートの方が好き。
ちょっと気になって「ベルカント」についてネット検索したら、興味深いものがありました。「ベルカントQ&A」です。もっと知りたくなりました。
私のそれまでの理解ではベルカントとは、古いイタリアオペラのあの美しい朗々とした歌い方という程度でしたが、色々見てみると、その解釈も様々で、でも究極、『体の深い支え』で音を出すこと、そしてそのことにより『その人本来の音色』を引き出し、演奏に不可欠な『様々なテクニックの修得』が可能になると言うことかも。
それはともかく、どういう音を出したいかと言うことは大きなテーマですね。それを追求しないで楽器を演奏することは殆ど無意味と思うくらい。「どうでも良い」音ではなく魅力のある音が出したいです。
駒には高さだけでなく、厚みも音色に関係あるんですね。それから魂柱の位置でも音が変ることも知りませんでした。
来週職人さんに駒調整をお願いしてますが、できるだけいろいろ聞いてみたいと思います。
投稿情報: chiibou | 2010-11-16 21:57
chibouさん こんばんは
駒調整って色々で一朝一夕には行きませんね。先ず高さを適正にするのはそうしないと弾きにくいから先ずやりますね。普通はそれだけやってもらえばあとは急ぐことはありませんね。
駒を新規に作った場合は、それこそ手術後、2,3日後、1週間後2週間後1ヶ月後・・・に外来診察を受けるのと似て、調整していくのが普通です。駒には強い圧力がかかるので、足が数ミリ広がるので、広がれば足の裏と表板との接地面に狂いが生じます。ぴったり板に吸い付くように削ったりするわけですが、表板は平らでもなく均一でもないので、それをぴったりさせるのは職人の技が必要。
上から見て右側の足は、バスバーの上に来て振動を表板に伝えます。左側の足は、魂柱の垂直線上に来て振動を裏板に伝えます。ただし、魂柱との距離は発音や音の強さに関係しますが、楽器の物理的強さによっても違うので、何センチが正しいなどと一律には言えません。距離を離せば発音は楽になりますし、近づければてこの原理で強い大きな張りのある音になります。が、ひねりが大きいので弾くのは圧力が必要。
表板と裏板では材質が異なるので、2つの音をミックスして楽器の音を作るわけです。ちなみに私の楽器は表は松、裏はブナです。裏板の音成分を増やすとブナの硬い強い音が増えることになります。
なお、駒を削るのは軽くするために全体を薄くする方法や、弦の振動を表板に伝える量を調整するために両手の脇の下を削って行く方法などあり、少しで音が変わるのが分かります。軽くすれば発音は良くなりますが削りすぎると弱くなります。駒は真空管やトランジスタの役割をしているのですね。
とかなんとか、不正確かも知れませんが受け売りです。
何でも良いから良い音にして頂戴と、職人さんに任せられれば気が楽ですが、弾くのは私なので、弾き手の力や音の好みなど、そして楽器の性能との兼ね合いもあり、一筋縄ではいかないようです。これが面倒だとか、そもそもそういうことを知らない場合は、弦を取り替えたりするのがとりあえず手っ取り早いですが、ま、それだけではお金の無駄のような気がします(^_^)さんざん私もやりましたが・・(^^;)
調整と言っても、弾く人の技術によって楽器の能力は制限されてしまいます。たとえば「裏板を鳴らす」事ができる奏法を身につけることは大事な事でしょう。少なくともどんな楽器でもプロが弾くとシンジラレナイくらい良い音になるのは、そう言うことです。でも、それも大変沢山の基礎技術が必要でしょうし、道は遠いです。裏板どころではない、表板すら鳴らせない、弦が振動しているだけと言う初心者も多いです。逆に言うと、下手は下手なりに上達するためにその時々の最適(最高ではない)なセッティングがあると思います。(良く調整された)良い楽器は本人のやる気を引き出し上達速度を速めます。スポーツの道具だって同じでしょう。遠い道のりを一緒に歩いてくれる職人さんを知ることも大切。いわば「ホームドクター」です。
投稿情報: goshu | 2010-11-17 00:53
駒と表板と裏板と…
初めて知ることばかりでした。
ありがとうございます。
「裏板を鳴らす」、見当もつきませんが、頭において練習してみたいと思います。
投稿情報: たこすけ | 2010-11-19 14:27
たこすけさん こんにちは
私はできませんが、弦楽器奏者の当面の目標ですよね。太くてびょーびょーと鳴る、何時かそういう音を出してみたい。何かトレーニングの方法があるんでしょうか。知りたいです。多分開放弦だとある程度出来るんだと思いますが、左手がついた途端に駄目になる傾向。正しい音程が大事と言うことですね。
あ、ウラィタナル合奏団というのがあり、それは裏板が鳴るくらい良い音という意味でロシア風に一寸変えてみたと言うことのようです。
http://www.za.em-net.ne.jp/~uraita71/
投稿情報: goshu | 2010-11-20 08:43
>ウラィタナル合奏団
冗談かと思ったら本当にあるんですね(笑)。
深い…。
投稿情報: たこすけ | 2010-11-21 09:07