書き忘れたが、先日のレッスンで、以前紹介したセブシックのエチュードも見ていただいた。
先ず注意されたのは、最初の3つはたっぷりテヌートで、次のアップ3つは、しっかり重みを乗せて音価を保って弾くこと。何となく弾いては駄目。
さて、しっかり弾くとはどういう事かというと、このエチュードでは、手首を動かさず、指だけで弾くのがポイント。その際、小指で押し出すように指を伸ばして弓を送り出す。弾ききったら急いで元のポジションに戻す。バネで引っ張られるように素早く戻す、これがポイント。先生の指を見ていると柔らかく弾力に富んで動く。私はと言えば、小指で押し出すという動作がピンと来ない。私の小指は死んでいる、ただ薬指の隣についているだけという感覚。それでも、何回かやって、最初に比べれば良くなった、とのこと。で、後はうちで練習。
それから毎日このエチュードをやる。2日位で右手が痛くなった(^^;) 普段やりつけないことをいきなりやるわけだから仕方ない。
そして、1週間たったら、気がつくと右小指に血が通ってきたというか、小指の感覚が分かってきた。小指に命が通い始めたようだ。押し出すという感覚も分かってきた。以前、YouTubeでアンドレナヴァラのボーイングレッスンを見た時も、弓の返しの際、小指に重みを乗せてダウンボーを始めると言っていた(多分)のが、理屈としては分かったが感覚ではつかめなかった。最近まで小指は感覚の薄い血の通わないものだったからだ。今は、その意味が分かる。弓をもっている指の重心を移動するのだ、と言う説明も前に何回も聞いて知ってはいても分かっていなかった。で、おもしろくなって、車のハンドルを握りながら右の指を訓練するとなかなかいい感じ。(熱中すると危ない(^^;))
調子に乗って、ドッツァウアーの6番のエチュードも、この練習材料にしてみる。更に更に調子に乗って、バッハ無伴奏3番のプーレ1を全てアップボーで弾く練習もしてみる。これは面白い、難しい・・・てなわけで練習が楽しい。練習は遊びでやるのがよいなぁ・・
このセブシックのエチュードをレッスンを受けて練習して、初めてやっと小指に命が通い始めたと言う気がする。
60を過ぎた私はそれを掴み始めるのに1週間の練習を要した。40歳なら3日くらい、子供なら30分で体得するのだろうか。エチュードを練習するとはどういう事か、1つ分かった気がする。このエチュードがなければ、弓を持つ指の役割や動かし方など、いくら言われても、なかなか実感できなかっただろうと思う。指に生命を与えるこの簡単なエチュード、これがスタート。先生は、倉田先生に師事する前に既に在京オーケストラのメンバーだったのだが、このエチュードを含め基礎を鍛えられて、そのおかげで数十年プロとしてやってこれたと言っていた。そんなありがたいエチュードなのだ。
で、このエチュードによって何が得られるかというと、機敏な動き、なめらかな弓の返し、そして、朗々と歌いたい時の音の粘り、そういうものが手に入る、と言うことなので、やらない手はない。このバリエーションは40ある。今回は4つまで練習中。
うーん。この曲、この前やってみましたが、
そういう意義があるんですか。深いですね。
独学にしかなりませんが、
良いことをうかがいました。
ありがとうございます。
投稿情報: えにお | 2011-10-18 04:41
えにおさん こんにちは
こういうシンプルなエチュードって、何をどう練習するのか分からないと、簡単に弾けちゃっていったい何の練習だか分からない事が多いですね。これがどういう風に応用が効くのかも、これまたレッスンで言われないと分からないと思います。何かの曲の部分で、「ほら、ここでセヴシックが効くのよ」と指摘されて、そうか、こんな風に弾くのかと意識してセヴシックを思い出して弾くとうまくいく・・・といった風に。だから、大人の場合、練習曲やってそれが何であるかを意識化しておかないといざという時使えない、かも知れませんね。このボーイングの練習がいったいどうして弓の返しがばれないように音が切れないように弾く事に役立つのか、この譜面だけでは全然分からないでしょう。私の説明が(弾けてない私の説明ではあてにならないけど)少しでも役に立てば良いのですが・・
投稿情報: goshu | 2011-10-18 16:26