今晩のNHK TV 「プロフェッショナル・仕事の流儀」に登場した日本一の同時通訳者・長井鞠子さん、もう10年以上前からのおつきあいだ。通訳もものすごいが、ビオラの腕もプロ級だ。で、2年前には,民放の番組「お好みコンサート?」とかで登場し、フルオーケストラをバックにモーツァルトのバイオリンとビオラのための協奏交響曲を堂々と弾き,インタービューも堂々としたものだった。通訳と演奏とは似ているとか言っていた。
年に1度、仲間を集めて室内楽三昧の旅行を企画している。私もそのたびにその会の定番曲になっているバッハのブランデンブルグ協奏曲第6番を弾かされる。ビオラもチェロも3人必要なこの曲、あまり弾く機会がなく、何も知らない私は、3番チェロを弾かされるのだが、3番なら気楽だと思っているとあにはからんやこれが一番難しく長いソロが出てくるのだ。(3番チェロは通奏低音となっているが、これがチェロパートより難しい。このことが分かったのは最近のこと)初見で弾くのは大変だが、楽譜を持っていないし怠け者だから毎回ぶっつけ本番だ。
ところで、この室内楽を楽しむ会は、年に1度だけ、それを全員が心待ちにしているらしく、ある年など、台風で交通機関が麻痺状態、あちこちで通行止めになっているのに、連絡を取り合い、遠回りをしてでも全員が到着した。台風をものともせず、予約をキャンセルしないで集合したグループはこの30年間で2組だけ。この長井さんと、もう1組は,ハーモニカの崎元譲さんたちだ。仕事も一流の人たちは、その仲間も一流、と言うか、結束が固い。思いが強く、多少のことでは、面倒だからやめておこうとか、天気が悪そうだし何かあったら困るからとかでキャンセルしたりしない。行けなければ仕方ないが、可能性がある限り最大限の努力をする。そういう人たちだ。それぞれの人が他の人もそうするだろうと信じているからこそでもあろう。それが仲間であり、艱難辛苦汝を玉にす、という感じだ。
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