内装を変えるに当たって是非とも使いたいと思っていた建具。それがこの夏用のすだれの入った障子と、冬用の雪見障子。他にもまだ使いたい建具がある。
今から約60年前のもの。原宿の実家を解体するとき預かったものだ。
大工さんにこれをアルミサッシの前につけたいと見せたら、これはすごい、と感心していた。昔は、こういう仕事をしたんだな、障子の細かい桟も、ただかんなで面取りしたというのではなく、45度にきちんと削ってある、それが交差するところはまた手間のかかる仕事。雪見障子は60年近くたっても寸分の狂いもなくすっと動いてどこでもぴたりと止まる。檜の材は十分乾燥してあって細くて軽い。でも、きっと昔はこんな事も当たり前だったのだろう。こんなものを今作れと言っても作れないだろう。世の中何が進歩なのか分からないが、職人の腕は確実に落ちた、見る目のない人は確実に増えた。
ところで、職人の話は大変おもしろいもので、関心のある方には是非お勧めしたいのが、「モチモチの木」などの童話作家でもある斉藤隆介さんの聞き書き、「職人衆昔ばなし」(正・続)だ。50年くらい前に何度も読んだ本なのだが、今は、AMAZONで中古の本が安く買える。本は古くなっても内容は古くならない。心が豊かになる本だ。
物持ちが良いというか、小学校の頃から慣れ親しんだものは、きちんと保管し、今でも使っている。洗濯用の(夏はこれで行水した)大きなアルマイトの金だらい、火鉢、勉強机、両親の使っていた椅子、籐のリクライニングチェア、筆箱、ほとんどの食器、縁側にあった大きな靴脱ぎ石、庭の飛び石、灯籠、梅の木、サツキ、・・数え切れない。我ながら、よくこれだけ使いこなしていると思う(^_^)
と言うわけで、我が家は昭和レトロ一色(^_^)
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